【 30秒で読める話:01 】
長い、長かった自宅警備員を卒業し、はじめての仕事を見つけた。
ファストフード店なんて、と人は言うかもしれない。
だけど、破壊と混乱しかもたらさない、どこかの独裁者より、
ずっと社会の役に立つ、すばらしい仕事だ。
キラキラ輝くステンレスのキッチン、タイマーが告げるダンスの時間、
べたつく足元はご愛敬。
天国のような職場。
ぼくは一生この店で働くつもりだ。
だから、愛の証として、店のロゴをタトゥーにした。
タトゥーはほれぼれする出来栄えだった。
ユニフォームにも帽子にもロゴはある。
つまり、そういうことなのだ。
ぼくは店員の鑑といえる。
頬が緩む。それなのに、店内がざわついているのはなぜだろう。
きっと皆、ぼくの忠誠心に嫉妬しているのだ。
店長が手招きをしている。 バイトリーダーへの昇格かもしれない。
だって、ほかの理由なんて考えられないから。
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