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『kill』

巣居けけ

「こんにちは、太陽神熱烈鱗粉丸破棄王(たいようしんねつれつりんぷんまるはきおう)です」
「代打裸墓血二百八十六点五世(だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい)です」

小説

2,943文字

「こんにちは、太陽神熱烈鱗粉丸破棄王(たいようしんねつれつりんぷんまるはきおう)です」
「代打裸墓血二百八十六点五世(だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい)です」

今日はあの学校に火を付けておこうと思います。なぜ学校に火をつけるのかというと、学校というか校舎というか、あの教師や厳しい職員や生徒たちと兎のカスどもが憎たらしいからです。みなさんは知っていますか。あの魑魅魍魎の存在どもは毎日毎日重火器のように人々を蹴落とす仕組みについて議論しているのですよ。僕のことを僕のことを私もあなたもきっと二重人格でバカにされて恐ろしくトイレになる。だから火をつけるのです。惑星のように燃えてもらうのです。僕たちはきっときっとおそらくたぶん絶対的に王族の血を引いています。だからガソリンなのです。わかりますか?
「ええと、知らないので松明の役割を行ってもらえますか」

僕は僕は僕と人々と教室の三十人程度の真の認められた阿呆の連中は、二時間という時間の中でチョークの使い方を覚えます。
「ハラリラオウオ、オホホホヌウス」
「うん、尺度」

という独自に開発した悲鳴のような比喩表現のような呪文を唱えてから、代打裸墓血二百八十六点五世(だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい)は自らの顔面を殴った。火花が散り、それらは風のような挙動で学校に触れた。代打裸墓血二百八十六点五世(だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい)は自動小銃を取り出さなかった。代打裸墓血二百八十六点五世(だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい)という名前は名簿のどこにも刻まれていない。
「こんにちは、田中です」
「こんにちは、サトウです」

今日、僕たちと僕たち以外の人たちは砂浜の中からスネアドラムを探し当ててから夜空になると思います。教室が燃えている。煙草を吸ってから代打裸墓血二百八十六点五世(だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい)はナイフを取り出した。

太陽神熱烈鱗粉丸破棄王(たいようしんねつれつりんぷんまるはきおう)はイヤホンから音楽を尋ねた。音楽家としての道とそれ以外の道がある。それらは全て地球の裏側に繋がっている。接続されている。電線コードを剥奪されてしまっている。男子生徒の足を振り上げる音が僕たちは嫌いでした。映画を観た時にその映画の作品の創作物のフィクションの映像記録の中の中の奥に立つあの人が、どうやら主治医の先生と似ている顔つきらしくって死にました。僕は分度器が嫌いでした。どうして嫌いなの? 僕はあの曲がっているようなフリをして先生に角度を密告する道具たちが嫌いでした。どうして嫌いなの? みんな普通に使っているのに。教室の中で粘土細工を破壊した時だけがキモチよかったです。あの子だけがそれを理解してくれました。男子生徒の中の性欲は大人になるにつれて加虐性に変化し、おい、そのうち人を殺すぞ! この犬にしっかりワッカを付けておけ! おい、おい聞いているのか! ガラスと溶かすんじゃない。パンを焼くな! そんなもの視るんじゃない。脳みそが腐る脳みそが腐る脳みそが腐る脳みそ脳みそ脳みそ……。

そして、『第百二〇五回目の立方体心情検査付冷風施術議論長髪・ア』が終了した。
「こんにちは。珈琲吐ヰ他(こおひいはいた)です」
「丸山三千年処刑代行流産肯定男(まるやまさんぜんねんしょけいだいこうながれうまれせていお)です」

は、お前は誰だよ……。おれはおれだよ。おれ、おれってね、未来からきたの。そんなよくある設定はいいって? でもいいじゃん。未来からってことは過去に行けるってことでさ、そうなるとお前が精子だった姿もみれちゃうんだぜ? でもお前は死体の女と生きてる男の間に生まれた男だもんな。
「は……?」

ウンチ男(うんちおとこ)はひとつ、うろたえていた。どうしてこんな男が自分の出生を知っているのか興味が湧き出ていた。それは脇から滲み出るものだった。あの日のお前の流血みたいだと思った。しかしウンチ男(うんちおとこ)はその穴のような空間に足を入れなかった。なんだかゴキブリになるような気がする。
「いや、未来になんていかないよ」

ウンチ男(うんちおとこ)はそのようにはっきりと表明した。は……? 丸山三千年処刑代行流産肯定男(まるやまさんぜんねんしょけいだいこうながれうまれせていお)はひとつ、うろたえていた。いやいやいやいや、僕は僕は君などという汚物は知らないよ。いつでもコンビニエンスストアで会計をしてしまっている君なんて知らないよ。ねぇ、デェェェェェ、うん。ふう。サトウくんは都会のネズミと田舎と都会以外の野菜とか、田舎以外のネズミとか惑星にあるゴキブリとかさ、月面とか火星で発見されているものたちとか、あとあとあのあの、瞳の中と不思議の国とアリスの左目の色彩とか少女の大腸のどれでいったいオナニーしてるの?
「えっと、まぁドーナツ男……」

などと男は呟いて妊婦の腹を殴った。するとそうして内部のナニカ柔らかいままの赤子になる予定のまだまだまだまだ醜い阿呆のコが死にました。悲しいですね。でもお前のせいです。お前があの日に男のコのお腹なんて蹴らなければよかったの。どうしてトマトを捨てちゃったの。どうしてどうしてどうして。スマートフォンがあるね。ガラガラの音だけで僕がどこに居るのか当ててね。君のことなんて噛まないよ。家に入るな。

男は火炎放射器を取り出して妊婦を滅却した。どうにかこの女の内側の毒性を取り除きたいと思っていた。男は処女膜の存在感についてあまりうれしく思っていないのだが、男の勃起っきした陰茎が膣の道というものを通り抜け、子宮にたっぷりびゅーとやったことについて不快感を得ていた。故に男は火炎による滅却を意識し、妊婦は死に損なった。
「ワタシィ……」

街中から笑い声が聞こえる……。意味のある妊娠をしなければならないと全ての妊婦が思っている……。パズルをといている少年がいる。だいだらぼっぢにひゃくはちじゅってんごせい……。男はトランプカードだけを使って銀行強盗をした。曲を聴いている。ここからどのように立方体たちが意志を持つというのだろう……。そしてどのような発展を経て将来性を獲得してゆくのだろう……。おれはおれと君と私たちと、そして複数の人々のような影の形を造っているあの蟻の巣の奥深くに芽吹く楽曲のような連なりたちがビルになってから責めてくる……。でていけでていけでていけでていけ。煩い僕は今だけ曲を聴いているんだ。だから煩い煩い煩い。作家は鋭利な青いナイフを持って自らの鏡の中について予測している……。リストカットの痕が新しい原稿を造っている……。あらゆる作家は新しい錠剤が手に入るとまず自らの傷口に試す……。そうして自分が野菜のようにひと握りの存在なのだということを自覚する……。彼ら彼女らはいつでも心細いと感じている……。心細いと感じている自らの背を視ている……。それ以外はあまり上手く視ていない。それは意図して行っているものではない……。僕は人を視ることが苦手なの。だから誰も視たくないの、ねぇママ、ぬいぐるみを没収なんてしないでよ……。若い作家はまるで農作業のように母との会話を終えてから帰宅していった……。

© 2025 巣居けけ ( 2025年11月28日公開

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