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大好きなあなたに捧ぐ文

間川 レイ

きっと私は狂ってる。それでもまだ私を友達と呼んでくれますか

タグ: #GL #依存 #性被害 #狂愛 #百合 #純文学

小説

7,925文字

ねえ。

私たちって結構長い付き合いだと思う。それこそ中学一年生のころ、テニスコートで初めましてをした時から。初めてテニス部でダブルスを組むように言われた日のこと。周りの子は次々とペアを決めていく中で、私だけはペアを決めかねていた。というより、声をかけかねていた。理由は簡単。私は人見知りだったから。そうやってオロオロしている間にもペアは決まる。どうしよう。そう途方に暮れていた頃に声をかけてきたのがあなただった。良かったら私と組まへん?あなたもテニス経験者やろ、と。そう声をかけてくれた時から。

あなたは一言でいって格好が良かった。凛々しい系というか。ただそれでいて結構な皮肉屋でもあったから、決して友達が多い方ではなかったけれど、何故だか私たちは一緒にいることが多かった。それはあなたの皮肉も相手を思い遣ってのことだとわかっていたからかも知れないし、私も私で皮肉を言われたぐらいではへこたれなかったからかも知れない。時に言い返しつつ。ある時は素直に受け止めつつ。

色んなことがあったよね。一緒にお昼ご飯を食べたし、一緒に最近読んだ小説の話や、見た映画の話をした。休みの日にはスケジュールを合わせて一緒に映画を見に行った。一緒に服やコスメ、アクセサリーのウィンドウショッピングをした。これいいねって意気投合したアクセサリーが、到底私たちのお財布からは出せない額で、顔を見合わせて笑ってしまったことを今でもよく覚えているよ。

一緒に映画を撮ったりもしたね。三年生を送る会に向けて、クラスの出し物として映画を撮ることになって。私が監督兼脚本家、あなたが副監督兼美術総指揮みたいな形で。私たちはしょっちゅう揉めた。時に大喧嘩した。一番酷かったときはこのままだとスケジュール的に撮影が間に合わないことが分かった時だったよね。最終下校時刻を超えても撮影を強行しようとした私と、それは許されないと頑なにそれを許そうとしなかったあなた。結局私がキレて泣きながらあなたをビンタして。ノータイムであなたは私をビンタし返した。みんな大慌てで止めに入って。それでも翌日にはけろっとした顔で撮影のスケジュールの練り直しの話をしているんだから、大したものだと思う。結局スケジュールはあと一歩のところで間に合わなくて、酷い出来になってしまったけれど、あなただけは私を咎めなかったことをよく覚えているよ。

あなたはずっと優しかった。それこそ中学最後のダブルスの大会だってそう。この試合に勝てば、県大会への切符が手に入る。そんな大事な試合で。相手もなかなかの強豪で。このゲームをとれば何とか逃げ切れ県大会に行ける。そんな大事な局面で私はミスをした。私のストロークを打ち損じ、ふらふらと上がったロブ。それをスマッシュで叩きこみさえすれば私たちの勝ち。その場面で私はビビってしまった。見送ってもアウトになって私たちの勝ちなのではないかって。でも結果はイン。そこから私たちはタイブレークに持ち込まれ、そのまま負けた。みんなが馬鹿だなって顔をする中、あなただけはやっぱり私を責めなかった。ごめん、あたしがカバーできてたらと。

あなたはいつだって優しくて、皮肉屋で、一緒にいるのは楽しかった。高等部に上がって、私が生徒会選挙に出たときもたくさん助けてくれた。それでいて一番の批判者だった。やめときなよ、そんな扇動演説なんてさ、なんて。面白がられているだけで、支持されているわけじゃないよ、みたいに。結局、二期生徒会役員を続け、マニフェストを達成できなかった私は次の代の立候補者たちの猛烈な攻撃の的になった。かつて私がしたように。私は、3期目は諦めざるを得なかった。事実上の失脚をした私。でも、あなたはだから言ったじゃんとは言わなかった。黙って渡してくれたホットココアの美味しかったこと。

あとは、あなたも小説を書く子だったから。一緒に小説を書いては見せ合ったり、次の展開のアイデアを求めたりした。何でそんな展開になるの、話のつながりがわからないんだけど、みたいな厳しいこともいわれたりもしたけれど、あなたと一緒に物語を作るのは嬉しかった。たくさん添削してもらった詩が結構大きめの賞をとった時など、我が事のようにことのように喜んでくれた。事実上の共作じゃない、なんて笑いながら。

私たちはずっと一緒にいた。高校を卒業しても。大学に入ってからも。進む大学は関西と関東で違えども、半年に一回は遊びに行ったし月に2,3回は電話した。サークルの話とかで盛り上がったし、書いた小説を見せ合っては感想を求めあったりした。

あなたは私について知らないことはなかった。親と仲が悪くて、沢山殴られて育ったこととか。

よく言えば教育ママの両親。学校の試験なんて8割取れて当たり前、9割でそこそこ、満点を狙ってなんぼと言う世界。8割を少しでも切った日には癇癪を起こしたようにキレ散らかし、怒鳴り散らかし。容赦なく私を殴った。ペチンとビンタするような可愛いものではなく、うずくまって息すらできず、悲鳴すらあげられないようなパンチを何発も何発も。髪を掴んで壁のでっぱり目掛けて何発も振り下ろす、みたいな。

機嫌が悪けりゃ朝起きて挨拶すれば舌打ちで返され、習い事の成績が悪ければ、屑、馬鹿、気違いとさんざん罵られながら馬鹿みたいに殴られて。何でこんな馬鹿みたいな成績がとれる。きちんと勉強しないからだろ、練習しないからだろと。それこそ殴られすぎてだんだん頭がぼんやりしてきて。壁にもたれた私をサンドバックみたいに殴って。殴られるはずみで、ぴくぴく跳ねる身体を他人事のように眺めたり。成績が悪ければお小遣いだってもらえなかったから、ナプキンを買うお金にも難儀して。仕方がないのでティッシュを詰めて学校に行って、保健室でナプキンを貰っていた思い出。結局学校から家に連絡が行って、恥ずかしい真似をするなと殴られたりとか。

こんな成績で何になれるというんだと嗤われて。こんな無駄なもんばかっり読んでいるから成績が上がらないんだろと宝物のように何度も何度も読み込んで、折り目のついた伊藤計劃や米澤穂信の小説を破られて、目の前で捨てられて。次から次へとゴミ袋に投げ込まれる小説たち。お願い、それは友達から借りた本なのとあなたから借りた本だけは死守して。その代わり紛らわしい真似をするなと余分に殴られて。

あるいは迂闊な一言で親の機嫌を損ねては時々家を追い出されて。下着一枚でも雪の日でもお構いなしに。開けてよ、お願いだから。ごめんなさい、ごめんなさい。肌を刺すような寒さの夜空の下、薄着でそうやって泣きじゃくる私を、見てはいけないものでも見てしまったかのように目を背ける近所の人とか。何も聞かなかったふりして足早に立ち去っていくサラリーマンとか。吐く息ばっかりが白くって。寒さから逃れるために、体育すわりをしてぎゅっと丸まって泣くしかなくて。

それでドアが開いたと思いきや、うるさい、近所迷惑だろうがと罵られるか、罵られながら髪をつかんで引きずりこんで、どんな教育しているんだと思われるだろと余分に殴られるか。ついでに髪の毛をつかんで柱や壁の尖っている部分にめがけて何度も叩きつけて。ぐいぐい引っ張られるのが嫌で短く切った髪の毛。あなたとお揃いの長さに切り揃えた髪の毛がぷちぷち千切れて。髪質の良さだけが自信だったのに。とても痛いので踏ん張れば、抵抗するなという唸り声とともに倍の勢いで倍の回数叩きつけられるから。おとなしくされるがままにされていて。

食事もたまに用意されなかったりとか。みんながご飯を食べているとき、私の分だけご飯が用意されていなくて。仕方がないのでキッチンでこっそり電子レンジで残り物を温めてためていたら、洗い物増やさないでくれると罵られたり。みっともない、将来は泥棒にでもなるつもりといわれたり。あるいははたまた、帰りが遅かったりすれば私の分の料理がシンクにぶちまけられているのを見る羽目になったり。

そんな家が嫌でトイレで一人泣いていた話とか。我が家で鍵をかけられるのはトイレぐらいだったから。悔しさと憎しみと痛みで泣きじゃくっていた事とか、全部全部知っていた。いつか殺してやる、ぼこぼこのズタズタに殴り殺してやるって泣いていたことだってよく知っていた。

それでいて、私は毎日のように死にたくて。こんな世界から逃げ出したくて。手首を切り刻んで。洗剤を飲んで、やたらいい匂いのするゲボを吐いて。一部の場所なんて何度も同じように切り刻んだからケロイドみたいになってる。そんな私を否定しなかったのもあなたぐらいだった。死にたいって気持ちを否定しなかった。受け止めてくれた。生きたくても生きられない人もいるだとか、親御さんなりに思い遣ってのことだよみたいな、そんなありきたりでつまらない台詞で殺そうとしなかった。そんな人はあなたぐらいだった。あなたは私を受け止めてくれた。ありのままの私を受け入れてくれた。それがどれだけありがたかったことか。私はあなたになんだって話した。

それこそ、あなたは私が処女じゃないことだって知っていたね。中学生の頃、そんな家に帰りたくなくて。友達の家に入り浸っていたら、お前可愛く見えてきたわとある日突然組み伏せられた。冗談でしょと最初は笑っていたけれど。その身体はびくともしなくて。服を捲られそうになった時、泣いてもちみぎっても振りほどけなくて。男の人の力にまるで敵わなくてなくて。敵うわけなんてなくて。服をまくり上げられて。揉まれて触られていじられて。

やめてよお願いだからって何度も言って。やめてくれなくて。覚えているのは彼の荒い息と。まるで膨らみなんて無い胸を這うぬめった感触。涎が私の肌をつうっと垂れる感覚とか。せめて目を閉じキスだけはされまいと顔を背けて。舌を入れられまいと歯を食いしばって。彼の普段とはまるで違う目なんて見たくもなくて。目をぎゅっと閉じて。あとからあとから涙が溢れてくるのが惨めでたまらなくて。いいやろ、なあという言葉とか。良いわけないだろって言う勇気もなくて。ただ黙って首を振って。いやいやをするように。涙だけが溢れて。私の誰にも触らせたことの無い場所ばかりはいずる手の感覚とか。まさぐられてつねられて。友達だと思ってたのに。ちょっといいなって思ってたのに。

頑張って頑張って抗っても、どうやっても抗えないと悟った時のあの気持ちとか。彼もまた男の子なんだってわかった時の気持ちとか。手を振り払うどころか、まくり上げられた服すら直すことができなくて。どんどん大事な場所ばっかり触られて。触り方もねちっこくて。それで私が喜ぶとでも思っているみたいに。AVか何かで見たかのように。舐めて、触って、つねって。そうやって、馬鹿みたいに目を血走らせて、息を荒くして私をもてあそぶ彼。

そんな姿を見ているうちに、なんだか全部馬鹿らしく思えてきて。もういいよって諦めて。好きにすればって体から力を抜いて。なすがままにされて。頭をぼんやりさせる。父親から殴られているときと同じように。透明な膜でも下すように。そうすればあまり痛くない事をよく知っていたから。それでも感じた吐きそうなぐらいの痛み。内臓をこねくり回されているような、入らないところに異物をねじ込まれているような。そう作られていないところに異物をねじ込まれたかのような。二度と感じたくないあの痛み。やめて、やめてと勝手に身体は逃れようとうごめいて。ひっかいて、バタバタ暴れて。それでも逃れられなくて。思わずあまりの痛みに吐きそうになったこととか。全てが終わったあと、泣きながら必死に指でほじくり出そうとして。ヌルヌルが指に絡まるばかりで、全然取れなくて。垂れてきたネバネバするそれを咄嗟にハンカチで拭ってしまって。あなたから貰ったお気に入りのハンカチが汚れてしまったのが凄く嫌だったこととか。全部全部話したから。

あなたは黙って聞いてくれていた。下手な慰めを打つことなく。それはあなたもまたそういう被害にあいかけたことがあるからかもしれないけれど。押し倒されて、まさぐられて。あなたは偶然助けが入って助かったけれど。本質的に私たちは似たものだったから。それこそ、魂の双子といっても差し支えないぐらい。あなただって家とうまく行っていなかった。立派な家業を継ぐのが役目と身に合わぬ理想を押し付けられて。結局弟が家を継ぐからお前は好きにしたらと放り出される、そんな家で育った似た者同士だったから。

私はそんなあなたが好き。ううん、好きというのは適当ではないかも。だって私は昔押し倒されたあの日以来、誰かを好きになる感覚がわからなくなったから。でもこの気持ちをなんと表現したらいいのだろう。胸の底に巣くう、このチリチリと胸の底から火であぶられるように込み上げてくるこの気持ちは。私はあなたになら触れられても構わない。触られても身をこわばらせたりしない。手が動く度に怯えたりしない。頭を庇ったりしなくていい。

むしろ、私はあなたになら触れられたい。抱きしめて欲しい。親にも抱きしめてもらったことなんてないけれど。頭を撫でて貰えたら最高だ。あなたの体温に包まれて。あなたの柔らかな身体に覆われて。膝枕とかもされてみたい。あなたの体温を感じながら眠りに落ちたい。そしたらきっと、ずっと安らかに眠れるから。ぎゅうっと力強く抱きしめてほしい。この汚い身体が砕け散りそうになるぐらい力強く。

あなたの温もりでこの身体を覆いつくしてほしい。私を埋め尽くしてほしい。細胞の一つ一つに至るまで。私をあなたのものにしてほしい。そのためなら私はあなたになら抱かれたってかまわない。いや、抱かれるのも悪くない。他の誰かであれば、下着姿を見られるのだって嫌だけど。あなたは特別。あなたのものにしてくれるのなら。そう思うだけで身体の奥がぞくぞく震える。あなたのものにしてもらえるのなら、それも悪くない。

私はあなたとずっと一緒に居たい。あなたの傍に居たい。だってあなたの傍に居るのは快適だから。気持ちがいいから。一緒に喋っていたら楽しくて、黙っていても、お互いが自分の作業やゲームを黙々としていても気にならない。一緒にいても沈黙が気にならないタイプ。一緒に呼吸するのが苦にならないタイプ。気が向けば話し、気が向けば作業する。一緒にいて居心地がいい人。私はそんなあなたと一緒になりたい。おはようと朝起きたらあなたがいる生活。それはまるで夢のよう。もしもこの気持ちを打ち明けて。もしも受け入れられたらきっと私は泣くだろう。痛みや苦しみでは無い、生まれて初めての喜びの涙。嬉しいよお、嬉しいよおと、きっとみっともなく鼻水まで垂らして。

でもそれは無理なのだ。それは私たちが女だからなのかな。結婚しようぜいとじゃれついても縁があったらねと躱されて。寂しいよう遊ぼうようと甘えてもたまにタイミングが合わなかったりする。きっとあなただって私の気持ちに気づいてる。ううん、気づかないはずがない。だってこんなに長い付き合いなのだから。

なのに、そんなあなたから出会いがなくてさ、なんて愚痴を聞くと気が狂いそうになる。そろそろ30代見えてきたし婚活しようかなあみたいな言葉を聞くと泣きたくなる。私を置いていかないで、みたいに。私を見捨てないで、じゃないけれど。なんで私じゃダメなの、みたいな。何で私を独りぼっちにするのよ、なんて。

それは私が嘘つきだからかもしれないね。昔のことすぎてあなたは忘れたかもしれないけれど、沢山添削してくれたあの詩の賞。事実上の共作じゃないと笑ってくれたあの詩の賞。貰ったトロフィーも賞状も、大事に飾ってあるって言ったけど、あれは嘘。あれだけは嘘。家に賞状なんて持って帰ったら、勉強もせずに何をやっていると、めちゃくちゃに殴られて。賞状もビリビリに破り捨てられる事なんて、火を見るよりも明らかだったから。私の大好きなハーモニーや春季限定いちごタルト事件みたいに。

親に破かれるぐらいだったら、いっそこの手で。そうやってビリビリに破いて川に流して捨てちゃった。トロフィーも首のところでへし折って。川にドボンと投げ捨てた。あんなに毎日毎日頑張ったのに。原稿用紙が書き込みで真っ赤になるぐらい頑張って、この言葉にするかあの言葉にするか、それこそ胸ぐら掴む勢いで言い争ったのに。満足のいく仕上がりになった時、思わずハイタッチするぐらい喜んで。受賞が決まった時、良かった、本当に良かったと目を潤ませて抱きしめてくれたのに。私は細かく千切って捨てちゃった。誰にも見られないように。誰にも触らせないように。そんな裏切り者だからかもしれないね。

でも、私はあなたのためならなんだってするよ。だってあなたは私を救ってくれた人だから。何度夜中に死にたいと電話したことか。昔の夢を見たり、思うように夢を追えなかったり。泣きじゃくる私の話を黙って聞いてくれたあなた。あなたがいなければとっくの昔に私は自殺していた。このつまらない世の中を、少しでも明るくしてくれたのはあなたのおかげなんだから。あなたがいるから、この世界はまだ退屈じゃない。

あなたのためだったらなんだってするよ。友達を捨てろと言うなら捨てるし、人を殺せと言われるなら誰だって殺す。それが例え大切な妹であっても。幼い頃、お姉ちゃん、お姉ちゃんと無邪気な笑顔で着いてきた妹であっても。お姉ちゃんにならなんでも話せる、パパやママには無理だけど。そう笑っていた妹。いつか家を出るか、お姉ちゃんと一緒に二人暮らししたいな。そう言っていた妹を、私は殺せる。

別に妹のことは嫌いではない。むしろ好き。大大大好きと言っても過言ではない。あなたの次ぐらいに。それこそ、お揃いのアクセサリーやお揃いの服を買うぐらいには好きだし愛してる。あのクソみたいな両親の下で一緒に耐えた同志。一緒に親の愚痴を言い合った。辛いね、苦しいねって一緒に泣いた。私にとって唯一の家族。血を分けた大切な妹。一緒の地獄を見た戦友。それでも私は妹を殺せる。あなたが男に襲わせろと言うなら襲わせられる。目の前で、助けてお姉ちゃんと泣き叫んでいたって、あなたが助けるなと言うなら助けない。例え死ぬほど後悔することになっても。だってあなたは私の全てだから。

結局のところ、私はあなたが好きなんだと思う。ずっとあなたの傍に居たくて。あなたと一緒に過ごしたくて。これが愛というものなのかもしれない。あなた以外に愛したことなんてないから、本当に愛といえるものなのかはわからないけれど。それでも私はあなたが大好き。好き好き好き好き愛してる。それこそ気が狂いそうなぐらい。世界中の誰もが敵に回っても、私だけはあなたの味方でいるよ。なんて、そんな事を思うぐらい。

でも愛というには若干どろどろしているような気もする。だって結局のところ、私はあなたにどこにも行ってほしくないだけなのだから。私のものでいてほしいだけなのだから。私を置いていかないで、見捨てないでと願っているだけなのだから。愛より、もっとドロドロしているのが私。ドロドロで、汚くて、ねばねばしているのが私。それこそナプキンにたっぷり吸われた、どろっとしてべったりとして、じっとりと生暖かい経血のごとく。きっと私は狂ってる。狂っているぐらいがちょうどいい。

それでも。それでも、私は思ってしまう。ああ、神様。こんな私でも、まだあなたは私を友達と呼んでくれるのだろうか。なんて。

© 2026 間川 レイ ( 2026年1月8日公開

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