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消費されてしまったカケラのミックステープ

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小説

341文字

 視界がぼやけていた。ドンキで買ってきたウィスキーをグラスに注ぎ、ソーダで割る。もう何杯目かは分からない。多分、私は今酔っている。クラクラだ。だけどもう一人の私は全く平常で何も取り乱したりしていない。後ろに立ってじっと見つめてる。あなたはいつもそうだ。シラフを決めている。
 裸足でベランダに出ると冷たすぎてすぐ部屋に戻った。椅子に座って、机の上に散らばっている紙を燃やして砂漠に行きたいな、とか思った。
 水を飲んでシャワーを浴びると少し楽になった。鏡は曇ってて私はのっぺらぼうになってた。浴室から出て体を拭いて寝巻きに着替える。台所で味のしない炭酸水を飲み干す。
 紐を引っ張って照明を、オレンジ色の薄暗いのにした。だけど明るさはたいして変わらない。気がつくともう朝になってた。照明は消した。

© 2021 岬 ( 2021年2月21日公開

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