自分の年相応に垂れ下がった乳房をまじまじと見つめる。シャワーは、もう止めたが湯気が頬を濡らす。鏡には39歳の女性の姿がありありと映っていた。「はぁー、もともと小さいとはいえ、垂れてくると見栄えが悪いのよね。年齢には勝てないのかな」「いやいや、テレ旭の美魔女と言われる私が弱気になってどうする。」両頬を手の平で軽く叩く、「よし、明日も気合入れてこう」。そう一人ごちると風呂から上がって、冷蔵庫から缶ビールを取り出しに行った。寝室に入るとベッド横の引き出しユニットに置いたスマホにK瀬K太郎からメッセージが入っていた。ちょうど今さっき、3分前に着信があったようで、Mはほっと胸をなでおろした。「良かった。K太郎を待たせずに済む。」そう思いながら指を高速で画面上にフリックさせる。ーイタリアンのいいお店を見つけたから、今度一緒に行かない?ー手垢とMの手汗で、保護フィルムの上に新たな層を作ってるスマホ上に、そうメッセージが浮かんでいた。「よっしゃ。」両肩を互いに寄せていき、極限まで寄せると小さくガッツポーズをしたMは、寝室の壁一面にくまなく貼ってあるK太郎の写真を凝視した。それは探偵社に依頼して盗撮した、K太郎の公私両面にわたる全身の写った顔もはっきり見える写真群だ。凝視しながら、Mは、数々のテレ旭アナウンサー、プロデューサー、ディレクターの体を舐めてきた独特の質感を持つ年季の入った舌を写真にはわせ、唾液をまんべんなく写真になすりつけた。「待っててー、K太郎さん全身なめつくしてあ・げ・る・からね💛」「すぐ射精させてあげるんだから。」端的に言って変態である。
薄暗いオレンジ色の照明が料理の色味を際立たせる。K太郎は、何かを一生懸命こちらに話しかけている。だが、出てきたデザートのケーキの上に描かれたイラストが気になって話が頭に入ってこない。それは、白地に水玉模様の入った体表に藍色の耳を持った犬がバイオリンを弾いているイラストだった。「あのさぁ、毎朝やりすぎなんじゃない。何もしてない一般人をさぁ、あんなにいじるのはどうかと思うよ」言ってる事とは裏腹にK太郎は口角を上げ、嫌味ったらしい表情をしている。「良いのよ、あんなの。D通の○○にああやるよう言われたんだから。それにあたしも権力を振りかざす事に魅せられちゃったかなーん」そう言うとMは、すくい上げたケーキを口に放り込んだ。K太郎は、Mの咀嚼の一噛み一噛みを食い入るように見つめた。上の歯が下の歯にかみ合わされるごとに、K太郎の笑いは止まらない。あぁ、俺もあんな優しい唇で、歯で、甘噛みされたい。「ところでさぁ、君んとこのテレビ局のO川A佳さぁ、〇BSのニュース23のキャスターに内定したんだって?そこら辺何か知ってる?」何気なくK太郎は、Mに尋ねた。「」
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