タグ: SF 315件

  1. でぶでよろよろの太陽 (5章 の2) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,405文字

       (5章の2)      告知を受け、わたしはすぐさま会社を辞めた。働いている意味がまったくないからだ。一人暮らしで家族はいない。どうして余命が半年なのに働かなくてはならないのか。成し遂げた…

  2. でぶでよろよろの太陽 (5章 の1) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,170文字

       (5章の1)      わたしのすい臓はがんで、さらにはステージⅣだった。これはもう、治療のしようがないくらいに進行しているという状態だ。    ある日担当医は、点滴で元気になったわたしを…

  3. でぶでよろよろの太陽  (4章 の3) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,665文字

       (4章の3)      しかし人間の体というものは、耐用年数がくれば勝手に壊れてしまうらしい。わたしの場合は元々すい臓という部位の耐用年数が短かったというだけのことなのだろう。    これ…

  4. でぶでよろよろの太陽  (4章 の2) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,236文字

       (4章の2)      調子を崩したのが金曜日の夜のことで、混みあうだろう土曜日に医者に行く気が起きず、週末安静にしていれば持ち直すだろう程度に考えて自宅で静養していた。しかしじっと寝てい…

  5. でぶでよろよろの太陽  (4章 の1) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,544文字

       (4章の1)      1年、あるいは2年前だろうか。いずれにしろ少し前になるが、わたしは強く印象に残るテレビ番組を観た。もちろん今歩いている「夢の世界」でのことではない。現実世界でのこと…

  6. でぶでよろよろの太陽(3章 の3) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,684文字

       (3章の3)      冷房がなく、衣類の質も悪かった時代。夏の夕暮れは、気だるい汗に覆われていた。どこにも逃げようがなかった。わたしは、ハンカチで絶えず汗を拭っていた。汗はそのままにして…

  7. 全ての事件を終わらせるための事件 小説

    • Juan.B
    • 6年前
    • 4,431文字

    ※2017年12月分合評会作品。

  8. でぶでよろよろの太陽(3章 の1) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,296文字

       (3章の1)      ずっと夕暮れだった。    夕日が西の空に大きく浮かび、稜線に沈みかけている。ここは、いつまでたっても夕暮れだけが続く世界だった。    夕暮れは一向に、闇へと突き…

  9. でぶでよろよろの太陽 (2章 の3) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,073文字

       (2章の3)      汗ばんだ手で、別の菓子を袋から取り出す。駄菓子の入っている袋はすべすべの薄い紙で、口の部分が細かくギザギザになっている。その袋から取り出した菓子は、ビニールのチュー…

  10. でぶでよろよろの太陽 (2章 の2) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 2,307文字

       (2章の2)      開いているガラス戸の幅は痩せた子どもが通れる程度のもので、わたしは戸に手をかけて横に滑らせた。レールに砂が噛む、いやな音が響き渡る。顔をしかめながら店に体を入れたあ…

  11. でぶでよろよろの太陽 (2章 の1) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 1,293文字

       (2章の1)      塔の湯の集落に入る。    道のでこぼこが均されている。もちろん未舗装のこと、完全な平らというわけではない。ただ、山道のように、えぐられたような窪みも、ごろた石もな…

  12. でぶでよろよろの太陽(1章 の3) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 1,497文字

       (1章の3)      川があり、砂利道は、それを渡るほんの十数歩分だけ舗装路になる。錆びた欄干に手を付いて下の流れを覗き込むがよく見えない。それならばと、橋の脇から降りてみる。足元がよく…

  13. でぶでよろよろの太陽(1章 の2) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 1,328文字

     (1章の2)      となりの荒れ地には墓があった。風雨に晒され、砂埃に打たれて劣化してしまったのか、下の方は白茶けている。    ざっと靴底が滑る。砂利に足を取られ、はずみで小石が靴の隙間…

  14. でぶでよろよろの太陽(1章 の1) でぶでよろよろの太陽 / 小説

    • 勒野宇流
    • 6年前
    • 1,248文字

       (1章の1)      砂利道はずっと下っていた。    夏の終わりの巨大な夕日が赤黒い光を落とし、陽炎と影で見通しが効かず、道は果てしなく続いているかのようだった。  木造の粗末な平屋が…

  15. 百合は未知なるインヴィトロ 小説

    • 春風亭どれみ
    • 6年前
    • 6,026文字

    以前、他投稿サイトさんで習作で書いたものでした。

  16. およそ365日のひそやかな戦争 小説

    • 斧田小夜
    • 7年前
    • 12,326文字

    りん、と毎日一度だけ電話は鳴り、そして静かになる。君が私に送るメッセージ。 星空文庫に掲載していたものを加筆修正しました。

  17. とどめの一滴 小説

    • 高橋文樹
    • 7年前
    • 3,990文字

    2017年10月合評会参加作品。セレンディピティがもてはやされる昨今に冷水を浴びせかけるつもりで書きました。

  18. 空から降る一億の雨 小説

    • 斧田小夜
    • 7年前
    • 4,429文字

    直球のバカバカしいSFが書きたくなって書きました。若干文字数オーバーですみません。合評会参加作品。