目の前で呼吸をしている男をこの手で殺めるんだと思ったら、最高に幸せな気分になった。
あたし、容疑者になるの。
お店でのナンバーワンよりも、もっともっと上だ。
格別な称号。
レベルアップだネ。
新聞のトップ飾れるとイイな。
お店のパネルみたいに心からの笑顔で飾れるとイイな。
逃げたりなんかしないよ。
シャネルのピンクのドレスも用意したんだ。
ミルクティー色の髪を、蜷局を巻く蛇のように巻いて、カルティエのティアラを乗せて、激しくサイレンが鳴り響くパトカーに乗るの。
最高。
もうこの男のために金を稼がなくてイイ。
裸になって、狂ったみたいに腰を振って、感じたふりをして、ときには説教までされて、無理矢理犯されることも、もう終わるの。
なんてハッピーなんだろう。
あたしの方が気が狂うくらい、幸せで死にそう。
真っ暗なキッチンで毎日毎日鋭く研いだ包丁にそっとスカルプの長い爪を這わせる。
こんなに甘美でゾクゾクするような快楽は一瞬で終わるセックスでは味わえない。
ピカピカに光った刃で、めちゃくちゃにしてあげるからネ。
あたしの愛するダーリン。
どうか地獄に墜ちてくださーい。
じゃあねー。
ばいばーい。
今夜0:00に、決行しまーす。
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