村から逃げた羊は
焼かれなかった肉として
森の河辺で草笛を吹いた
目の奥には
少女の焔が黒煙とともに
泳いでいる、壺の中で
流れ着いた場所では一匹の蛙として
背中に赤い跡のある
生まれたばかりの子ども
粉々に砕かれた額縁の絵画が
ハシビロコウ
のくちばしのようで
僕にとっては楽しい思い出だ!
それからまた流れ着いた村では
預言者きどりの浮浪者として
音楽的な説教をする
あの天体は熊である
また、地球はいつかなくなる
口角泡を飛ばして逃げた逃げた逃げた
祀られて
ああ鯖のみりん漬けに収まった
それは天動説にも比すべきことだ
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