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【詩】快便ではない

十五皐月

自我の喪失。「個」が置き去りにされてしまった。

342文字

つるっと出てしまった

 

 

自註:この詩は生理現象を言語化しただけの記述に見えるかもしれない。悪質なナンセンス、偶発的なユーモアの類ではない。この詩は排便のためトイレで身構えるなり、意識を集中することもなく、腹圧をかけることもないまま、排泄が完了してしまった、という記述である。つまり「快」を感じる間もなく、意図せぬところで事象が「完了」してしまった瞬間を切り取ったのだ。それは、個人の意志が肉体の機能と性能に完全に追い越されたという、自律性の喪失の瞬間だ。これは日常の平穏ではなく、肉体というシステムが個を置き去りにして完璧に作動する「暴力性」の記述なのである。また、個人のあずかり知らない間に自己決定権が消失し、自由意志が剥奪されうるということなのだ。

 

© 2026 十五皐月 ( 2026年4月22日公開

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