メニュー

キリトリ

盛水

————-キリトリセン————–
今すぐにココを切り取ってください

タグ: #純文学

936文字

今日の晩御飯はパスタにすることにしていたので、

今自分はパスタを茹でているのだが

————-キリトリセン————–

とうとう悪魔に捕まってしまった。しかも、

————-キリトリセン————–

塩を忘れていたので取りに行こうと目を離したところ

————-キリトリセン————–

悪魔が自分を、煮え滾る熱湯の前に連れていくではないか。

……あぁ、これはまずいな、

————-キリトリセン————–

泡が吹きこぼれてしまった。かなりコンロが濡れてしまったので一旦火を止めて、

————-キリトリセン————–

自分は咄嗟に膝を着き、懇願した。

「もうあんなことはしない、何でも従うから……だからやめてくれ……」と。すると

————-キリトリセン————–

なんだかんだあったが、パスタが出来た。今日はミートソースパスタだ。普段はもっと簡単に作れるものがあるから、ミートソースにはしないのだけど。――けれども実はそれが間違いだった。たった今腰掛けてパスタを食べようとした時である、

————-キリトリセン————–

悪魔が自分の腕を乱暴に握りしめ、そのまま片腕でこの体を熱湯の真上へと持ち上げた。

————-キリトリセン————–

その時、背後で「ワンッ」と声がして

————-キリトリセン————–

自分はとうとう釜の熱湯に落とされてしまった。

————-キリトリセン————–

自分は背中に強い衝撃を覚え、そのまま顔からパスタに突っ込んだ。

————-キリトリセン————–

「アツイ! アツイ……! イタイ……アツイ」

そんな叫び声も虚しく、自分の体は無慈悲にも熱湯に溶けてゆく。

————-キリトリセン————–

パスタの中では自分が溶けて……

溶けて……?

「――ハッ。また知らない世界と混合していて――早く切り離さなければ」

© 2024 盛水 ( 2024年11月1日公開

読み終えたらレビューしてください

みんなの評価

0.0点(0件の評価)

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

  0
  0
  0
  0
  0
ログインするとレビュー感想をつけられるようになります。 ログインする

「キリトリ」をリストに追加

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 あなたのアンソロジーとして共有したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

"キリトリ"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る