13.かぶ 雪解けの真珠
冬の冷たい 土の下で
あなたは 自らを磨きあげる
まるで 月の光を丸めて
地中に 埋めておいたかのように
泥を洗い流せば 現れるのは
透き通るような 白滋の肌
指で撫でれば しっとりと
吸い付くような 命のみずみずしさ
凛と伸びた 青い葉は
大地から 溢れ出した泉のしぶき
白と緑の 鮮やかな対比が
冬の食卓に 清廉な風を運ぶ
薄く刻めば ひんやりと
冬の朝の 静寂の味がする
火を通せば またたく間に
淡雪のように 心へ溶けだす
お出汁をたっぷりと その身に含み
透明な 甘みに変わる時
あなたは もう野菜ではなく
一滴の 優しい慈悲になる
柔らかな その一口が
こわばった身体を ゆっくりと解き
春がそこまで 来ていることを
静かに 教えてくれるのです
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