7.あぼかど 緑のまどろみ
ごつごつとした 黒い鎧を纏い
あなたは 静かに時を待っている
深い森の 湿った吐息を
その硬い殻の中に 閉じ込めて
手のひらで そっと包めば
伝わってくるのは 熟成の合図
わずかな弾力は 中にある
黄金色の果肉が 目覚めたしるし
ナイフが なめらかに一周し
二つに 別れたその瞬間
現れるのは 完璧なまでの
萌黄色の グラデーション
真ん中に どっしりと居座る
まるい 命の塊
それは 太古の記憶を抱いた
大地の 大きな瞳のよう
口に運べば ひんやりと
バターのように 心まで溶かしていく
濃厚な 森の恵み
静かな 命の抱擁
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