RUE (4/5)

RUE(第4話)

加藤那奈

小説

14,954文字

彼女の話は彼の腕の中で紡がれてゆきます。たぶん。
つづいて性愛のこと、破壊と創造?について?
(2017年)

07 セックスのこと

 

私が初めてセックスしたのは十七歳のときだった。

なんの感慨もなかった。

相手は私にとって初めての恋人で、マユの彼氏の友達だった。

今から振り返ると、彼のことをどれだけ好きだったのかよくわからない。別にいやいや付き合っていたわけではない。当時は彼のことを好きだと思っていたし、それなり恋する乙女になっていたはずだ。ただ、時間が経つと考えてしまうのだ。あれは本能みたいなものだったのかなって。広い意味での性欲、みたいなもの。抱かれたいとかセックスしたいとか、そういう直接的な肉欲ではなくて、オスに身を委ねて守って欲しい、あなたのプライド(あ、ライオンがつくるやつね)に入れて欲しい、その代わり、あなたの子を産んでもいいよ……まあ、子供は産みたくなかったけど、性行為に繋がる一連の本能的な判断を、恋とか愛とか大好きだとか、そんな甘い言葉でコーティングしてたんじゃないかなって。

こんな私の見解に、いつだかマユは腕を組んで頸を傾げた。

何?

結局さぁ、それが恋愛なんじゃないの? 私たち、ライオンじゃなくてヒトだから、お互いの気持ちが通じているのか不安になったり、動物的な欲望と人間的な倫理や道徳の狭間で悩んだり、クリスマスプレゼントは何にしようかとか、ふたりっきりで甘々な夜を過ごしたいとかいろんなこと想像して、将来のこととか恥ずかしいこととか、余計なこともなんだかんだいっぱい妄想して、性欲とロマンティックな夢をごちゃ混ぜにしながら、病気になりそうなくらい深刻になって、情熱だとか男女の機微だとか、感情的にも人間関係的にも複雑に、ときには繊細に理解しようとするけれど、結局そんなところだよ。ある意味、恋愛を的確に表現してる。はなまる。

それはネコだってライオンの仲間(ん、ライオンだってネコの仲間、かな……どっちでもいいけど)なんだよと意見されたようなものだ。それは確かに間違いじゃないかもしれない。ネコ科の哺乳類ってところで多くの特徴を共有している同類だけれど、同じところや似ているところはどうでもいい。ネコとライオンの違いが大切なんだ。違っている部分に概念の本質がある。

あんたのそういうところが、ときどき女の子っぽくないんだよね……と、マユは、ちょっと嬉しそうだった。

女子校に通う十六歳の私に、同じ学年で男子校に通う十七歳の彼氏ができた。秋の文化祭の時だった。マユとマユの彼氏に紹介された。せっかく紹介してあげたんだから、一回くらいデートしなさい、と、どこかからせしめてきた遊園地のチケットを半ば強引に押しつけられた。しかたないからマユたちの顔を立てようかと遊びには行ったのだけど、彼も私もデートなんて始めてで、ちょっと気詰まりだったことを覚えてる。でも、その日の別れ際、彼からまた会って欲しいとお願いされて、それから、なんとなく付き合うことになった。最初はちょっと生意気で、どこか気弱で、ヘンなところで強気になる普通の少年だと思った。すごく個性的というわけでもない。思春期なりに捻くれていたけれど、素直な「いい子」だった。付き合っているうち、私は彼を好きだと思うようになっていた。

当時、高校生カップルがどんな付き合い方をしているのか、私には具体的なサンプルがマユしかいなかったから――たぶん、あの子は標準的じゃない――よくわからなかった。彼もきっと同じようなものだったんじゃないかな。とりあえず、日曜日にはときどき会ってデートした。たまに学校帰りにも待ち合わせをして街をぶらぶらした。毎日メールをした。電話もした。並んで歩くときには手を繋ぐようになった。身体に触れたいという欲求よりも、彼氏彼女の行動として、一緒に並んで歩くときは恋人繋ぎ……そんな巷にはびこるルールに従っていただけだかもしれないけど、厭じゃなかったし、十六、七歳なりにドキドキした。そんな日々が半年くらい続いたのかな。思春期の男にとってはもどかしいばかりの日々だったにちがいない。後で思ったんだけど、ただ手を繋ぐだけの関係がしばらく続いたのは、私がそれ以上を無意識のうちに拒絶していたせいなのかも知れない。聞きたくもないのにマユから彼氏との様子を報告されていたから、私もきっとこの人とキスしたり、初体験をすることになるのかなって漠然と想像はしていたけれど、積極的にキスしたい、抱かれたいとまでは思っていなかった……というか、よくわからなかった。一緒にいるのは悪くなかったし、ちゃんと異性として意識はしていたつもりで、そういう雰囲気になれば流されちゃうんだろうなって考えてたんだけど。

私たちは高校三年生になった。お互いに受験生で、これからあんまり会えなくなりそうだ、そんな世知辛い話をしていたときだったような気がする。彼がしきりに何か言いたそうな素振りをしていた。その時、ふっと気がついた。ああ、そういうことか。私が一歩だけ踏み出してあげないといけないんだなって。だから、いつもより余計にくっついてあげた。

彼が具体的にどんな言葉で私を誘ったのかはすっかり忘れてしまったけれど、つまりは、こういうことだ――これから受験勉強やらであんまり会えなくなるから、その前にお前とセックスしたい。どう?――みたいな内容を何重にもオブラートに包んで、つっかえながら、うわずりながら言っていた、と思う。

きっと私は可愛く恥ずかしそうに頷いたに違いない。

……そうであって欲しい。

高校生の私は、一応(私の脳内では、だけど)純情可憐な女の子、なのだ。

高校生のカップルがこっそりカラダを交わす場所なんて日常的にそうそうあるわけもなく、彼はお小遣いからホテル代を捻出して、なんだかひどく綿密な計画をして(十分刻みとか、五分刻みのスケジュールを作ってたはずだ……どこで待ち合わせて、何時から何時までどこでお茶して、食事して、目的地には何度何分……そんな感じで)、誘惑の日からひと月くらい後にラブホテルでご休憩をした。私も彼も十七歳だった。

「ああ、こんなものなのかって思っただけ」

ふうん……こんなもの?

うん、こんなもの。

こんなものって、どんなもの?

そうね……こんなもの、は、こんなもの、よね。ケイにはわからないと思うけど、生理を迎えたときより驚かなかったな。だって、セックスがどういう行為か知ってたし、すること決めてから実際にしちゃうまで、ひと月くらいあったから、いろいろ想像してたっていうか……私は話していて、急に恥ずかしくなった。彼は、そんな私の顔をじっと見ていた。
――初体験の時のことを聞かせて欲しい。

ケイは真顔だった。

なんでそんな話しなきゃいけないのよ、と、適当に受け流すつもりでいたのだけど、彼の顔を見ていたら、なんだか話さなければいけないような気がして、気乗りはしなかったのだけれど、初めて男の子と付き合ってから性行為に至るまでの経緯を話した。

恋人のロストバージンのエピソードなんてケイはどれくらい真面目な気持ちで聞いているのだろう。ちょっと興味があるんだ、だなんて、それってどんな興味なんだろう。こんなの一歩間違ったらセクハラ発言だ。私だからいいようなもの(?)、ホントならたとえ相手が恋人だろうと、ピロートークめいたベッドの中での話であろうと感心できたものではない。ケイはたぶんそんなことじゅうぶん承知していて、それでもなおかつ、しかも少しも巫山戯ることもなく、少し考え込むような顔で尋ねるのだ。

ねえ、他の女の子にも聞いたことあるの?

うん、付き合った相手にだけだけど。でも、誰も取り合ってくれなかった。

付き合った相手って、つまり――抱いた女の子だけって意味でいいのかな。

そうだよ。

あっさり肯定する奴に、ちょっとムカッとする。

今の私と同じように彼の隣で裸のまま寄り添う、困惑顔の女の子を想像した。私はすごく複雑な気分になった。お互い子供じゃないんだから、過去にあった他の異性との肉体関係なんて暗黙の了解事項なのに、その影が具体的に見え隠れすると、落ち着かないのはどうしてだろう。

だから、話してくれたのはルゥだけだよ。たいていの女の子は、今、付き合っている男相手に過去の恋愛なんて話したくないものらしいからね。

また、ムカッとした。

つまり、私はたいていの女の子ではないってことね。

ああ……そうなる、のかな。

私だって、別に話したくて話したわけではない。

なにがなんでも隠し通すことではないけれど、積極的に他人に話すことでもない。終わってしまった恋愛など自然に忘れてゆく。それでいい。わざわざ思い出すことでもない。青春の甘酸っぱい一ページ、なんて私にはよくわからない。ただの過去だ。私に人としての成長をもたらした体験であったかもしれない。異性の存在する現実的な意味にこの身をもって触れたのだから。だが、それは極めてプライベートな出来事だ。誰にも――どんなに親しい女友達にも――詳しく話してないし、これらも話さないだろう。

でも、ケイを相手に、どういうわけだか私の口が緩んでしまう。

ありがとう、ルゥ。

ケイが私の頭を撫でる。

で、まだ話は全部終わってないんだけど……その後、彼とはどうなったかとか気にならないの?

うん……こんなに話してくれた後で、今更ちょっと言いづらいんだが……僕が聞きたかったのは初めての性行為そのものに対する君の感想だ。

なに、それ。

つまりは、純情可憐な女子高生が恋愛に挑む健気な姿などどうでもよかったらしい。

恋愛そのものはルゥの個人的な思い出だしね。現在の恋人として君がこれまでどんな恋愛をしてきたのか全く興味がないって言ったら嘘になるけど、それはただの出歯亀だ。

初体験を聞き出すのは出歯亀じゃないんだ。

じゃない。

なによ、それ……正直、急に話す気も失せたのだけど中途半端な物語は、語る側として落ち着かない。だから、手短に顛末をまとめた――その後、彼とは何度か寝たわ。でも、本格的な受験シーズンに突入して、会えなくなった。彼が遠くの街の大学に入学して、離ればなれになって自然消滅。お互い進路が決まってから、会う機会はあったし、たぶん彼も私ももう一度って心の中では思ってた。でも、結局、何もなくって終わり。以上。

ふうん、そうなんだ。

ケイが私を抱きしめ、愛撫する。

やっぱり恋人の、過去の恋愛なんて聞いて気持ちのいいものじゃないね。

嫉妬した?

うん。

ケイは今、どんな顔をしているんだろう……彼の肩に顎を預けている私からその表情は見えなかった。その声に見合った思春期の少年のように、情け無く頬を歪ませた彼を思い浮かべた。ケイはそれを私に見られたくなかったのかもしれない。

僕が聞きたいのは恋の物語じゃない。女性器が男性器と初めて交わる時の、ロマンティックでもエロティックでもなく、女性が、女の子がその瞬間、感じたことに興味があるんだ。男の僕には絶対にわからない。想像すら出来ない。だからね、ルゥ。君の答えは悪くない。ああ、こんなものか――僕には意味が捉えきれずにとてももどかしくて、君には僕に伝えるそれ以上に言葉が見つからない。その亀裂は永遠に埋まらない。その広さも深さもまるで想像できないんだけど、でもね、聞けば朧気ながらその輪郭が浮かび上がってくるんじゃないかって僕の幻想なんだよ。

で、これまでは誰からも聞けなかったんだね。

残念なことにね。

聞くだけだったら誰でもいいんじゃないのかな。別に深い関係の相手じゃなくても。

それは気が進まないな。だって、それじゃあ僕がおかしな人間に思われる。

実際おかしな人間よ。

実際におかしいことと、他人からおかしく思われるとはちょっと違う。特に関係の浅い誰かに先入観を持たれるのは気持ちのいいものじゃない。それにね、たとえ話してくれたとしても、ただの友達止まりの相手ではきっと言葉を捕捉できない。同じ言葉で表現しても、そこに封じ込められた意味や感情や感覚はみんな違うと思うんだ。関係が深い相手ほど、その本当の意味に近づける。浅い相手は辞書を仲介したような、当たり障りない記号としてしか受け取れない。僕の興味を満たしてくれない。

想像すらできない女性の感覚を妄想することがケイにとってどんな意味があるのかよくわからない。

意味か……意味なんてないんじゃないかな。そんなもの必要ない。知ることが叶わないから余計に知りたくなる。それだけかな。

理詰めで考えようとするくせに、その理に理がない。

突き詰めてしまえば人も世界もそんなもんだよ。

こいつ、投げ遣りなのか、達観しているのか……。

「ところで、ルゥ」

なにかしら。

「ルゥはセックスするの好き?」

また、そんなこと聞く。

いや、真面目な話。

とても真面目な質問に聞こえないんだけど。

さすがルゥだね、いい応酬だ。真面目か不真面目かはさておいて、で、どうなの?

こういう質問に私がついつい答えてしまうことを知っていての狼藉だ。

「性行為そのものが好きというわけじゃないと思うよ。例えば、ケイとはしたいと思っても見ず知らずの相手とはイヤ」

「なるほどね。それじゃあ、セックスは気持ちいい?」

ケイ、あなたの品格とか、デリカシーとかを疑うわよ。

だから、真面目な話なんだよ。

うん、まあ、気持ちいいかな。体調の善し悪しもあるけど、私の場合は好きな相手としてるわけだし……それとも、昔の彼氏とあなたとどっちがいいのか聞きたいわけ?

いや、それはいい。自己嫌悪に陥りそうだ。

そう。じゃあ言わない。

ケイは苦笑いする。そして、黙って私に覆い被さる。

え、するの?

ルゥはしたい?

私は口ごもる。それまでの話の流れで、したいと言うのも、拒むのも、どっちも違う気がした。

ケイが真面目な顔で私を見つめる。

セックスはね、本来生殖行為なんだよ。子供を作るための行動だ。子孫を繋ぎ、種の個体数を確保することが目的なんだ。でもね、ルゥ、これまで僕らは何度も何度も体を交わしたけれど、生殖を目的としたことは一度もない。むしろ君が妊娠しないように気をつけている。君だって、そうだろう。自惚れだけど、もしかすると君は僕の子供なら産んでもいいかな、なんて一瞬でも思ってくれたことがあるかもしれない。あるいは、これまでに体を許した男にも、そんなことを思うことがあったかもしれない。でも、積極的に、今、このセックスで妊娠したいって本気で思ったことはないんじゃないの?

ケイの指摘はまあまあ正しい。違うのは、ケイも含めて相手の子供を身籠もってもいいなんて考えたことはない。できちゃったらその時考えればいい、と、後先あまり考えず、避妊をせずに行為に及んだことはあるけど、妊娠を望んだことはない。それはお互いが暗黙のうちに交わしていた了解事項だった。だから、避妊具を使う。避妊具のないときは、リスクがあるけど、膣内での射精を避けるようにしてもらう。セックスは妊娠と隣り合わせだ。男の妊娠に対する意識はよくわからないけれど、女性の側には大問題なのだ。別の命が自分の体内で、胎内で始まってしまう。その時、どんな感情が湧き上がるのか、私には経験がないからわからない。わからないから、ちょっと恐ろしくさえ思う。それほどに未知なのだ。

そういえば学生の頃、基礎体温を記録して危険な時期と安全な時期を気にかけている友達がいた。今日は危険日だから、その日は安全日だから……危険。安全。考えてみればおかしな表現だ。妊娠の危険、望まない妊娠……動物として必要な結果が恋人たちにとっては忌まわしい。

だったら、どうして僕達は体を交えるのかな。

恋とか愛とかいいかけて、私は口籠もる。私にとって、その言葉はとても薄っぺらで意味がない。ただ、セックスを感情的に正当化するためのもっともらしい言い訳だ。

僕はね、気持ちいいからだ。君の肌と僕の肌が触れるだけでも気持ちいい。密着すればもっといい。君にはきっとわからないけど、ペニスがウァギナに包まれるのはえもいわれぬ快感だ。そして、その心地よさは、射精を導き受精を促す。男の僕は、女性がその時どう感じているのかなんてわからない。でも、もし同じような快感を得ているのなら、人間の雄と雌は、快楽を介して生殖をするわけだ。セックスの気持ちよさは、必要な営みである生殖のための方便のように聞こえてこないかな――だとしたらね、生殖を目的としない――あるいは生殖を忌み嫌う、でもいい――セックスってどんな意味がある?

また、恋とか愛とか言いかけて、私は口をつぐむ。

うん、そうだね。愛とか恋とか、もっともらしい理由をつけて、カムフラージュなのかデコレーションなのか、どっちでも構わないけど、その本質を隠してしまう。本当の愛や恋する心は、もっと違うところにあるような気がしているよ。愛を確かめる、なんて言うけど、それはただの比喩的な表現でしかない。

愛してる。愛してるわ。私はあなたを愛しています。

体を交わしながら囁くそんな言葉は、チョコレートのコーティングに似て、とても甘い。その下に隠されているのが性愛の生の姿だ。

ケイ、それでこのお話の結末は?

うん。例えばね、ルゥ、君と僕が結婚したとしよう。結婚なんて人間の社会が作り出したリミッターみたいなものでしかないと僕は理解しているけれど、まあ、それはさておき僕らが署名した書類を役所に提出して、受理されて、ふたりの婚姻が社会的に承認された途端、僕らのセックスは白日に晒されるんだ。

白日にって、人前でするみたいよ。

それはただの変態だ。僕らのセックスは、こっそり抱え込んでいた後ろめたさを捨て去って、社会のシステムの中で正当で健全な行為になる、ということだ。そして、妊娠が忌まわしさから悦びに、その価値を転ずる。これは、どういうことなんだろう。していることは変わらないのにね。

ケイが私をじっと見つめた。

ねえ、ルゥ……したい?

結婚? それともセックス?

そうだね……セックス。

うん、したい。

ちなみに、結婚は?

今はしたくない。

私はとても自然に気持ちを伝える。

それじゃあ、生殖を目的としないセックスをしよう。

ケイが薄っぺらな笑みを浮かべて、私の体を愛撫する。

男はね、精通以前から勃起を経験しているんだ。その意味もよく知らないうちからね。子供の頃から性欲に突き動かされている。初めて女の子の体に自分の一部を挿入して、それがどんな欲望だったかを実感する。でも、女の子はどうなんだろう。生殖を目的としないセックスの意味は、きっと女の子の方がよく知っているんじゃないかなって思うんだ。初めて男をその体の内側に受け入れたとき、気がつかないまま見つけているんじゃないかって。だからね、その時のこと、訊いてみるんだ。

ただ、それだけの興味でしかないよ、つまらないだろ、と、ケイは私の唇を塞いだ。

2025年1月7日公開

作品集『RUE』第4話 (全5話)

© 2025 加藤那奈

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