ブラジル、リオデジャネイロのブラジル国立博物館は、9月2日から3日にかけて火災が発生し、建築物全体が火炎に包まれた。

ブラジル国立博物館(Museu Nacional)は、かつてナポレオン戦争によりポルトガル王室が本国からブラジルに退避していた1818年に開館し、今年で開館200周年を迎えていた。博物館では、ブラジルの貴重な歴史資料などを始めとして、エジプトのミイラや恐竜の化石、アメリカ先住民のミイラなど、世界各地の貴重な考古学資料も収蔵されており、その総数は2000万点と言われている。しかし、リオデジャネイロ五輪以降は予算が削減され、老朽化の進行も指摘されていた。その様な中、9月2日の夜に漏電が原因とみられる火災が発生し、すぐに博物館は炎に包まれた。

この火災により、2000万点の収蔵物の大半は消失したとされているが、具体的な被害やその換算は現時点では不明である。この火災を受け、ブラジルのミシェル・テメル大統領はツイッターで声明を発表し、「200年に及ぶブラジルの歴史や研究が失われた」「全てのブラジル人にとって忘れられぬ悲しい一日だ」とツイートした。