日本独立作家同盟はインディーズ作家を会員とするNPO団体で、主に電子書籍の出版を中心に活動を続けている。無名の作家であっても一つの媒体に集合することで宣伝効果が高まるのでは、という期待から「電子雑誌」というパッケージとして『月刊群雛』を2014年1月から発刊してきた。編集方針は次の通り。

  • 掲載作品は早い者勝ち
  • 掲載順は入稿順

寄稿者には藤井太洋、仲俣暁生、倉下忠憲、まつもとあつし、結城浩などの著名人も含まれる。また、掲載作のうち、良質なものを『群雛文庫』としてシングル・カットする方針も特徴的だ。

休刊の理由については、理事長の鷹野凌は次のように吐露している。

一方で部数が一定数より伸び悩んでいたのも事実です。内部要因としてはやはり、企画や話題性を十分に提供できなかった編集長である私の力不足があり、外部要因としては、大手出版社による怒濤のセール攻勢など競争の激化によって、収益面でも赤字を続けていました。NPO法人化して、ネットを通じた広告宣伝にも力を入れるようにした結果、多少部数は上向きになったものの、大きく状況を変えるまでには至っていません。

『月刊群雛』休刊のお知らせ

日本独立作家同盟は電子雑誌を休刊する代わりに、インディーズ作家プラットフォームとしての活動に注力していくという。これまでもユニークなセミナーを幾つか開催しているため、そうしたリアルイベントと補完的な何かを立ち上げるのかもしれない。

筆者は破滅派という文芸誌を主催しているが、やはり雑誌を定期的に発刊しながらしかもそれを採算ベースに載せるというのは難しいように感じる。雑誌というパッケージ自体に訴求力がなくなっているため、今後は別の何かが必要になるだろう。日本独立作家同盟がその答えをどう出すのか、楽しみにしたい。