Cheap Vodka

越智信

小説

419文字

つらいつらいつらいつらいつらいつらいつらい

信はいつもそうだ。

あれが嫌い、これが嫌い、子供のように駄々をこね続ける。

なら、そんなに嫌いならやめてしまえばいいじゃないか。

黙って死ねよ、潔く。

てめえの未来を案じる知識人はそうつぶやく。
休むな、怠るな、飯を食うな。クソをするな。働け、と。

てめえは本来ならとっくにドブの底に沈んで死んでいるべき人間だったくせに、
選り好みできる立場だと思っているのかよ。

てめえはその天運を捨ててまで人々から本当に無視されて不必要だと思われる人生を送りたいのか?

ああ!したいさ!
させてくれ!
頼むからもう自由に死なせてくれ!!

信は咆哮する。

死にたい、死にたいと泣き叫ぶ。

死にたいさ、すべてを終わらせたい。

しかし、こんな捨てられるべき人間に愛情をくれた人々がどうしてもちらつく。

結局自分は半端者のままでいると。

何も捨てられない。
自分の本当の意思に殉ずることができない。

なあ、腐りきってよどんだ、空の国の支配者よ。

愛情とは足かせだな?

死を選ぶことすらできないなんて。

2023年11月3日公開

© 2023 越智信

読み終えたらレビューしてください

この作品のタグ

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"Cheap Vodka"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る