「小説すばる」書評コーナーで桜木紫乃、年森瑛などの注目作とともに『ギークに銃はいらない』が紹介されている。評者の海猫沢めろんはSFの著作もあるが、「本書を通して読むと、ITからファンタジーまで、自分をアップデートしていく貪欲な推進力を感じられて面白い」と高く評価している。

ちなみに、同じコーナーで紹介されている藍銅ツバメも斧田と同じくゲンロンSF創作講座の出身者。海猫沢は同講座についても「新人作家たちの梁山泊」と読んでいる。架空法律というSFを読み切りシリーズで掲載している新川帆立もゲンロンSF創作講座の出身者だ。

『地図と拳』を出したばかりの小川哲と新川の対談も掲載されており、SFというジャンル・フィクションの強さが垣間見られるのが最近の「小説すばる」である。伴名練も『新しい世界を生きるための14のSF』において、最新SFの情報源として「小説すばる」を挙げていた。これまで小説雑誌をあまり手にしなかった読者も、この機会にお手に取ってみてはいかがだろうか。