「おかえり!仕事どうだった?」
「別に普通。クレーム引いて長引いたけど、3位だった」
「すごっ!さすが!偉いぞ!よしよし!」
この頭の湿り具合……「プライベート・ライアン」並みの泥沼戦だったな?
「俺は犬じゃないぞ」
「犬より可愛いもんねー!ヨシヨシ!」
「……♪」
夕飯の下ごしらえ完了……っと。
♡
「工房」に籠ると私はワイヤークラフトの鬼になる。この前、川で見た鵜(ウ)を製作中。👉ウ(鵜;Phalacrocorax属)は水中追跡型捕食に特化した潜水性鳥類で云々。
「翼、黒、水、風……あっ!風……!?」
涸瀬川の夕陽、中洲、大きな黒い翼、あの時吹いていた、風——
動かざる黒い鳥、止まらざる夕映の川、その狭間で記憶に沈んだ風よ。世界を切り取る我が中指に従い、現前せよ——っ!!」
「誰と喋ってるんだ……?」
「いやああああ!!勝手に開けないでよっ!!//////」
「あー、今日うどんでいいか?」
「なんでもいいよっ!……うどん……ウ?……鵜!?……きたっ!」
うどんどころじゃないの!コチトラ、うどんの百倍硬いワイヤー茹でてんの!!💢
♡
「秋来ぁああ!!うどん伸びちゃったぁああ!!」
「呼んだのにすぐ食わねえからだろ!」
「ぴえん。もう一個作って。バリカタ」
「はいはい、作りますよ、姫。うどんでバリカタは無理だけど」
「秋来、愛してる。イケメン」
「うるせえ」
♡
「消すよ」
「ん」
「……」
「秋来」
「ん?」
「作って」
「何を」
「……赤ちゃん」
「ブッ!ガフッ!フンガッー!」
「何その反応」
「ごめん……ッ!鼻から晩のうどんが——ッッ!」
「ハルがいいお兄ちゃんになってくれるよ。楽しいよ、きっと」
「よいしょ……っと」
「ね……?あ、き、ら。チュルッ」
「あんッ!そのうどん食べちゃダメ——ッ!」
「ねぇ……想像してみて……ズルッ」
「はぅッ!うどん引っ張らないでぇ——ッ!」
「秋来にそっくりな……小さい秋来が……ジュルッ」
「お゛っ!お゛っ!」
「だんだん……おっきく……ズルズルッ!」
「あああ出るッッ!!」
ビュルルッ!ゴクンッ!
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「秋来……モテるし……子供に。ね?」
「ハァハァ……鼻が……ッ!」
「ねえ、どうなの……?」
「ハァハァ……うーん……」
「なに?」
「作ること自体は大好きだが……」
「むっ!?どういう意味だ!?」
「いや!冗談だって!」
「最低!おやすみ!」
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「……」
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「……」
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「……」
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「眩しい。何見てるの」
「……なっなんでもねえ」
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「……」
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秋来……今の変なポエムは何?イタいって。
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——『おやすみ、俺の、生まれない方がいい遺伝子たち』
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