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どか盛り竜王の芋煮会

合評会2026年1月応募作品

西向 小次郎

「そりゃあ舘が悪い。」「いいですか、おもしろがるのは勝手。あんたがたは、芋煮をつくればいいの。」「あとは舘のせいにしたらいいです。」

タグ: #合評会2026年1月

小説

524文字

芋煮いもにっちゅうのはー……河原かわら豚汁とんじる。」

「な、そうだよな。」

場所は東北地方のとある地域振興会議所。

集会にあづまったのは30代の若者から70代の若年寄まで。あどはみなほでねくてら。

「だっけよー、芋煮っていってもさ、豚汁なんだっけ、」「んだんだ。」

最近の若者は黙ってねぐてよ、パソコン片手かだてに文句。市の許可取るがら三萬円。以上。

「そんだばやんねくていんだぜぇ」

昨年度まではそれでもやってきたども、今年度は難しい。普通の感覚ではそうなんだどもな。

  • 伝統を絶やしてはいけない。
  • みんな生きがいにしている。
  • 交流の場にしたい。

毎年の主張だども、大きな間違いだ。

「いや、いいべども、場所っこだな。」

大鉈まではなくとも、ちょっと意見をしてみだ。若干、こっちも間違い。ねんだっけ、場所が。

「年寄はいげねがら、若者でやればいんでねの」

「そーですね。じゃあ、今年度は……」

悪気はないのだろうが、大変に難しい時代になりました。僕らの時代には、どか盛り竜王と呼ばれるおじさんが居で、具材の調達はいつもどか盛り竜王がやってくれていたそうでした。

どか盛り竜王に詳しい同期の三浦さん

「馬鹿だなぁ。ンなわけないじゃん。」

 

 

 

 

「イイ女がいたら揉んで来い」

「いいんですか?」

「いいよ」

© 2025 西向 小次郎 ( 2025年12月2日公開

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