私はこれまで、繰り返しWebの仕組みについて述べてきた。だが、あなたが真面目に文芸活動を行っているとするならば、私はおそらく絶望的なビジョンを提示することになるだろう。と同時に、これは福音でもあ…
すみれちゃんは妄想家かも知れません。 要くんとのちょっとした行き違いから、幼い頃へタイムスリップします。
平凡を自称する男が近所にできたばかりの床屋を訪れる。好奇心から始まった床屋通いが、いつしか深刻な映画監督マリオ・マチャードの話になる。非対称会話小説。
このおたんこ茄子なんて言わないでください
ex. PC遠隔操作事件(プロット)
亜熱帯化するこの列島に、サムとマルタが、仲良くふたついっぺんにやってきた。あいつらは並みの台風じゃあない。
*作中には差別表現が大量に含まれていますが作者は差別するつもりはありません、全ての人に捧げる愛の表現です。 痴呆爺隊の隊員たち:纐纈人非人:こうけつにひと(元海軍中将)、加藤大好:…
恋人のサエコは卒業式の前夜に息を引き取った。僕はまだ泣いていない。大学を卒業する準備をしすぎてしまったことが原因らしい。学生から社会人へと変身するために、僕はずっと前からいろいろなものを脱ぎ捨て…
五月某日 大学時代の友人久しぶりに逢う。お互い社会人だ。 「いちばんお金使うものってなに」という話になり、「酒」と即答するおれ。 五月某日 かつて自分がつけていたのと同じ香水の香と…
巨大な軍艦がビルを破壊しながら突き進んで行くさまは、まるであの日の津波のようだった。小型戦艦が数隻並走している。軍の自動制御装置のトラブルだと、防災無線は繰り返し告げている。 海上に浮かぶ街は水…
「それでは服を脱いで」 私の言葉に彼女は黙って従った。診察台と私のデスクとの間に置かれた薄い仕切りの向こう側で、サンダルを脱ぎ捨てたその足がちらりと動く。彼女の裸体など見慣れている私にとって、仕…
壱「眼下の土手」 今のマンションに引っ越してきて驚いたのは、ベランダからの眺望でした。遥か遠くにではありますが富士山や筑波山を見ることができるし、夏ともなれば、隅田川や江戸川に手賀…
アパートの手前の公園を曲がった時には、そのまま冷蔵庫のない、六畳の、牧夫の廃棄物で雑然とする自分の部屋に帰る気がしなくなっていた。公園の明かりは点いていたが、人影はない。佐々木晴男はアスファルト…
夕闇を過ぎ、暗くなった部屋の中で、ビデオデッキにテープを入れる。古いアニメシリーズの再放送を録画したビデオテープも、牧夫の置いていったモノだった。けれど佐々木晴男は、このテープだけは繰り返し何度…
暴力的な音で目が覚めた。部屋のドアが再び叩かれているようだった。 なぜだか知らないが、また誰かが扉を開けろと言っているのだ。佐々木晴男は眼鏡をかけたまま寝入っていたので、首を横に曲げるだけで…
佐々木晴男は今、朝の六畳間で六年前の[おこづかい帳]を感慨深げに眺めている。八冊の大学ノートは同じ大きな茶封筒に入れられているため、いつでも取り出す事ができるのだった。 佐々木晴男にとって、その…
佐々木晴男の一日は、数字と対峙することから始まる。 その数字は、新聞の経済欄や株式市場とは何も関係がない。その数字は、今月の交通死亡事故件数にも、ここ数年の少子化率推移にも影響されないし、遠い国…
春日部にあるオリンピックの通りを右に曲がった住宅街の中に私ん家があります。近所には野良猫13匹飼っている名物オジサンとか、うちの中学のOBで去年甲子園にいったらしい先輩の家が近くにあったりします…
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