総監督・脚本を庵野秀明、監督・特技監督を樋口真嗣がつとめ、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ等々が出演した『シン・ゴジラ』。日本制作の東宝「ゴジラ」シリーズとしては、ハム太郎との同時上映以来約12年ぶりの最新作となった今作は、ロングラン上映により11月には動員数が約551万人、興行収入は80億円を突破する大ヒットとなった。上映中の声出し、コスプレ、サイリウムの持ち込みが可能な発声可能上映も行われて話題を呼び、2016年ユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされるなど、今年を代表するコンテンツのひとつである。

この超大作をあらゆる角度から紐解く、「ユリイカ2016年12月臨時増刊号、総特集Ω『シン・ゴジラ』とはなにか」が、11月25日発売された。首にタオルでおなじみの間邦夫国立城北大学大学院生物圏科学研究科准教授役の塚本晋也、「わー!こんなんありかよー!」や「ごめんなさい。」でおなじみの安田龍彦文部科学省研究振興局基礎研究振興課課長役の高橋一生という巨災対メンバーの他、蒲田くんや鎌倉さんという神ってるデザインを産み出したゴジラキャラクターデザイン・造形担当の竹谷隆之のインタビューも掲載。肝心の中身の方はというと…なんかもうみんな当たり前のように蒲田くんって呼んでいるという現実。残念なことに、尾頭ヒロミ派、カヨコ・アン・パタースン派、新ジャンル・水ドンでおなじみ泉修一派によるヒロイン論争は行われなかった模様だが、多角的に『シン・ゴジラ』を論じたもののまとめとしては十分すぎるほどの一冊となっている。

 

2016年も残りわずか。これだけ話題になった『シン・ゴジラ』も『君の名は。』すらも観ないで年を越してはいけない。今年はどんな年でしたか?僕は『シン・ゴジラ』です。