Juan.Bこと、髙井ホアンによる単著『反日アニメUSA』が7月上旬にパブリブ社から出版される。
副題は「戦時下アメリカのプロパガンダ・カートゥーン」、シリーズ「珍アニメ完全解説」のVol.3となる。ホアンは同社からシリーズの第一巻となる『鬼畜米英漫画全集』が昨年2月に出版されている。
『鬼畜米英漫画全集』でも示されていた通り、日本が米英人を戯画化していたように戦時中の米国アニメでは、吊り目、慇懃無礼、騙し討ち等、かなりステレオタイプな偏見に満ち溢れた日本人が沢山登場していたという。
「トムとジェリー」のコンビが描く軍用犬ギャグアニメ『War Dogs』などアニメ51作品の、制作陣や配給会社などのスペック表・作品背景解説・粗筋を詳しく紹介。反日アニメ・プロパガンダはエンターテイメント産業として成立しており、単純明快で見ているだけで面白く、憎しみを煽るだけではなく、兵士に対して様々な啓蒙・教育を施そうしていたことなどが垣間見えるだろう。
一方で、開戦前は日本との平和な交流を行うアニメも存在。そうしたアニメも前史として紹介する。
ほか、戦時下アニソン・制作スタッフ・「日本人」等のコラムも。今作はオールカラーで四六判並製。合計で224ページに上るが、2400円+税と物価高が叫ばれる中で破格となっている。
トランプ米大統領による異例の大統領令連発で世界が翻弄されている今、戦前に米国がどうやって戦争に対する支持を集めていったのか詳しく知るには絶好の一冊になるだろう。
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