SNSとはソーシャル・ネットワーク・サービスの略で、人と人との交流を軸にしたサービスです。2016年現在のネットワークでは、次のようなサービスがあります。
- 世界的に見るともっとも規模が大きいSNS。利用者は10億人超。ハーバード大学の写真共有サイトから派生した。特徴は実名であること。その非匿名性の高さから、ビジネスマンに利用されることが多く、日本では中高年男性サラリーマンがもっとも活用するSNSとして知られている。
- 短文を「つぶやき」として投稿できるSNS。最近は人気がなくなっているが、日本での利用者は多く、twitterも日本でのマーケティングに力を入れている。有名人アカウントが多い。
- 写真共有SNS。現在もっともユーザーが増えており、6億人超。世界的に見るとtwitterよりも利用者数が多い。特に若い世代と女性に人気。
- LINE
- SNSというよりは、メッセージングサービスで、1対1で使われることが多い。メッセージングSNS(他にはSnapChatなど)としては日本で圧倒的なシェアを誇っている。
SNSを活用してファンを増やす目的
SNSを利用する場合、明確なゴールがあります。それはあなたの作品や電子書籍を見てもらうことです。そのためには、SNS上であなたのファンを増やす必要があります。
あなたのことを見ているフレンドの忠誠心を高めるためには、あなたが魅力的でなくてはいけません。ロイヤリティが高くなった人はあなたのファンとなり、あなたの作品へとたどり着きます。まず、これを大原則として抑えておいてください。
SNSはどのように消費されているか
SNSで何かを発信するためには、人々がSNSをどのように見ているかを知らなくてはなりません。
すべてのSNSにはタイムラインが存在する
SNS上ではフレンドになった相手の投稿が画面上に時系列順で表示されます。
最近のタイムラインはもう少しユーザーの利便性に考慮しており、親和性が高い相手や人気のアカウントの情報が上位に表示され、価値が無いとみなされたアカウントの情報は間引かれます。
リアクションには特別な価値がある
SNSであなたはなんらかの投稿をしますが、そうすると、それに対する反応があります。現在は「いいね!」ボタンがどのSNSにも実装されているので、誰かが「いいね!」をしたらそれが相手に通知されます。
また、「タグ付け」や「メンション」など、それぞれのSNSに固有のリアクションがありますが、それらは必ず本人に通知されます。
たとえばフォロワーが10万人もいるような有名人なら一々反応しませんが、それほど有名ではない方は自分に言及されたらなんらかの反応が返ってくるでしょう。
SNS上でロイヤリティを高めるには
まず第一に、あなたの発信する情報が魅力的だということが第一です。それ以外の細かな原則として、次のルールを守ってください。
工夫をして投稿する
たとえば、これは私が自作を宣伝するために行ったツイートですが、まったく同じ内容を毎日呟いていたら鬱陶しいでしょう。
再掲ですが、ずっと書いて下書き状態だった小説を公開しました。子供が生まれた翌日にこんな小説を公開して良いのか悩みましたが、面白いから別にいいだろうという判断。https://t.co/czKtl4bd1W https://t.co/yaGAzku24E
— 高橋文樹@文フリ委託先募集 (@takahashifumiki) August 24, 2016
したがって、仮に同じURLを貼るのだとしても、なぜシェアの仕方は毎回変えた方がよいでしょう。定期的に自動投稿をするサービスもありますが、掲示板の「Twitterボットの運用に関する要望」を参考にしてください。また、シェアする際の注意点としてはこちらを読んでください。
最近のFacebookでは、ツールから投稿した場合、それらの投稿はすべてまとめられてしまうので、注意が必要です。いずれにせよ、「オリジナリティのない投稿は価値がない」ということになります。
交流をする
なにもしないでファンを増やすことができればよいのですが、AKBでさえ握手会を行っているわけで、「気の利いた面白いことを言い続けてファンが増え続けた」とはなりません。
自分からフォローしたり、メンションを飛ばしたり、RTしたり、できることは沢山あるので、積極的に交流をしましょう。
クラスタを意識する
クラスタという言葉に馴染みがない方も多いかもしれませんが、もともとは科学や統計で使われていた用語で、「集団」を意味します。◯◯クラスタという使い方をします。
当然ですが、あなたは自身が発する情報がどのクラスタ向けのものなのかについて自覚的である必要があります。「自分のクラスタは存在しない」と思うのは間違いです。必ず似たようなクラスタが存在します。
たとえば、破滅派に関係しそうな「クラスタ」では下記のようなものがあります。
- 文学フリマクラスタ
- 文学フリマに参加しているサークルまたはサークルメンバーのアカウント。文学フリマが開催される時期が近づくと、名前に「文フリ」などと入っていたりします。
- なろうクラスタ
- 老舗小説投稿サイト「小説家になろう」に作品を投稿している人たち。たくさんいます。また、最近で似たようなものとしてはKADOKAWAのカクヨムや、エブリスタ、女性向けの野いちごなどがあります。
- 電子書籍クラスタ
- 電子書籍に興味がある人達です。読書好き、作家、編集者、エンジニアなどから構成されています。必ずしも文学に親和性が高いとは限りませんが、破滅派のように電子書籍を出している団体に興味を持つ可能性があります。
- 作家・編集者クラスタ
- 作家、ライターや編集者など。作家はともかく、編集者はぱっと見でそうとはわからないかもしれません。また、作家の場合も真面目に運用している人とそうでない人がいるので、注意が必要です。たとえば、プロの作家に対して「僕の作品を読んでください!」とやりまくっていると、若干うざいヤツだと思われてしまう可能性があります。
- クリエイタークラスタ
- 文学とは関係ない、音楽、映画などの他ジャンルのクリエイターです。同じ創作を志す人として、心通うことも多いでしょう。また、私は絵描きさんなども何人かフォローしていますが、これは電子書籍の表紙を描いてもらうときに参考にするためです。
さて、このように種々のクラスタが存在しますが、なるべくあなたと親和性の高いクラスタを見つけてください。たとえば、私はWordPressというソフトウェアについての情報をブログなどに書いているので、WordPressクラスタのフレンドが多いのですが、「小説を書きました、読んでください!」といっても全然読んでもらえません。おそらく、WordPressをネタにした小説を書けば爆発的に読まれるとは思うのですが……
いずれにせよ、それぞれに興味対象が異なる集団が島宇宙のように存在しているのが現在のインターネットですので、それを意識しながら情報発信をしてください。
接触頻度を意識する
いつもいつもオリジナルの投稿で面白いことが言えるとは限りません。しかし、SNSの本質がタイムラインであることを考えると、接触頻度の高さにある程度の価値が存在することも事実です。したがって、次のような手法を使ってみてください。
トレンドを意識する
Twitterにはハッシュタグという文化があり、そのハッシュタグが「トレンド」に入ることがあります。ハッシュタグが流行ると、トレンドに乗ります。たとえば、以下は私のタイムラインに出現したハッシュタグ#名作文学のタイトルの後ろにゾンビをつけて一番面白い奴が優勝に私が反応した例です。
居酒屋ゾンビ #名作文学のタイトルの後ろにゾンビをつけて一番面白い奴が優勝
— 高橋文樹@文フリ委託先募集 (@takahashifumiki) September 5, 2016
トレンド入りすると、多くの人の目に触れることになるので、あなたの認知度が高まる可能性があります。また、トレンドはあなたのフレンド以外が見ている可能性があるので、新たな出会いの可能性も高まります。
シェアをする
RTなどで引用しつつ、話題になっているものや面白いものについて言及するというお手軽な手段があります。世の多くの人を引き付けるような事件があると、関連情報が欲しくなるのが人間です。
紹介に関してはライバルの情報だろうと積極的に消化しましょう。たとえば、SNSを活用して購読者を増やしているBuzzFeedはCBS Los Angelsの動画をシェアしています。
こうしたシェアをする際は、自分の一言を付け加えてもいいですし、単にシェアするだけもできますので、あなたのキャラクターに合った方法を選んでください。
*
それでは、SNSを活用してファンを増やすための方針について書きました。不明点などありましたら、積極的にコメント、質問などをしてください。