薄暮教室 篠乃崎碧海(著)

いつも西日の差しているそこは、薄暮教室と呼ばれていた。
時は大正。とある片田舎の小さな町で、旅人は一人の若い男に出会う。桜の影をまとい、柔らかな木漏れ日に笑う彼は、子ども達の「先生」であった。翳りゆく季節、僅かずつ、しかし確実に擦り減っていく先生の憂う深い眼差しの先に、旅人は己の終着駅を見定めるのか――
2014年頃より約3年にわたり他所で連載していたものに大幅な加筆修正を施した完全版です。

  1. 完結済み ( 2021 年 4 月 5 日 〜 2021 年 4 月 9 日 )
  2. 15 作品収録
  3. 117,257文字(400字詰原稿用紙294枚)

Authors & Editors 執筆者一覧

篠乃崎碧海

篠乃崎碧海 著者

自分が文学だと信じるものをぽつぽつ書くひと。文学フリマにてたまに本出します。
体は弱くとも精神は強いひとの話を綴るのが好きです。

Works 収録作一覧

  1. 篠乃崎碧海

    1. 序 春光に山笑いて

    • 小説
    • 2,788文字
    • 2021 年 4 月 5 日公開

    花の下で生きると決めた日のことを思い出す。仰ぎ見た空から、彼の好きだった色が降りそそいでいた。

  2. 篠乃崎碧海

    2. 一 陽春の出会い

    • 小説
    • 7,051文字
    • 2021 年 4 月 5 日公開

    出会いに理由などない。それでも、その日そこにいたことがたしかに人生を変えたのだ。

  3. 篠乃崎碧海

    3. 二 風薫る

    • 小説
    • 5,440文字
    • 2021 年 4 月 5 日公開

    たとえ身を壊すとしても、それは彼にとってなくては生きられないものなのだろう。

  4. 篠乃崎碧海

    4. 三 空蝉・暗雨

    • 小説
    • 13,825文字
    • 2021 年 4 月 5 日公開

    あの日雨が降らなければ、彷徨いこまなければ、今もここで笑っていられたか?
    いいや、きっとそんな未来はあり得なかった。何があろうと、お前さんはその小さな手を離すことはなかっただろうから。

  5. 篠乃崎碧海

    5. 四 空蝉・水中花

    • 小説
    • 12,094文字
    • 2021 年 4 月 5 日公開

    降りしきる雨の下で手繰り寄せたその身体の冷たさを、俺はきっと生涯忘れることはできないだろう。

  6. 篠乃崎碧海

    6. 五 空蝉・夏の果て

    • 小説
    • 8,165文字
    • 2021 年 4 月 5 日公開

    雨の降り止んだ日に、ようやく本当に出会えた気がした。

  7. 篠乃崎碧海

    7. 六 繊手に初紅葉

    • 小説
    • 6,337文字
    • 2021 年 4 月 6 日公開

    どうかいつまでもこのままでと願うのは、彼にとって酷なことだろうか。

  8. 篠乃崎碧海

    8. 七 冬蝶の夢

    • 小説
    • 7,444文字
    • 2021 年 4 月 6 日公開

    手の届かないものを数えて暮らすことに慣れてしまった。慣れたと、思い込みたかった。

  9. 篠乃崎碧海

    9. 八 緋寒桜

    • 小説
    • 9,084文字
    • 2021 年 4 月 6 日公開

    眩いものすべてから身を遠ざけた。誰もいなくなった暗がりを愛そうとして、結局できなかった。

  10. 篠乃崎碧海

    10. 九 風花の思い

    • 小説
    • 6,537文字
    • 2021 年 4 月 6 日公開

    失いたくない、そんな思いが日増しに募っていく。終わる予感を見なければ、こんな思いには駆られまい。

  11. 篠乃崎碧海

    11. 十 霜花の終わりに

    • 小説
    • 9,902文字
    • 2021 年 4 月 6 日公開

    ここまで来られただけで、きっともう充分すぎるほどに幸せだったのだろう。そう信じることにして、私は大切な世界に別れを告げた。
    全てを失っても、貴方は隣に居てくれた。

  12. 篠乃崎碧海

    12. 十一 追憶の桑楡

    • 小説
    • 7,650文字
    • 2021 年 4 月 9 日公開

    どこにも行かないでくれと乞い願う。どうかずっとこのままでと望む。残された時間は恐らく僅かなのだろう。

  13. 篠乃崎碧海

    13. 十二 薄暮の部屋

    • 小説
    • 8,281文字
    • 2021 年 4 月 9 日公開

    拐ってやりたい。その運命からも、枷のついた身体からも。
    望まないと知っていた。拐うかわりに、手のひらを重ねた。

  14. 篠乃崎碧海

    14. 十三 ひとひら

    • 小説
    • 8,823文字
    • 2021 年 4 月 9 日公開

    いつの日か、君のいるところに手を伸ばす日がきたら――そのときにはまた、いつかの話の続きをしよう。

  15. 篠乃崎碧海

    15. 終 薄暮教室

    • 小説
    • 3,836文字
    • 2021 年 4 月 9 日公開

    春は何度でも巡り来る。それが救いになるのだと、教えてくれたのは先生だった。

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