本屋大賞実行委員会が主催する「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2024年本屋大賞」の受賞作発表および授賞式が4月10日に、明治記念館で開催された。2024年本屋大賞を宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)が受賞した。

 「本屋大賞」は新刊書の書店(オンライン書店含む)で働く書店員の投票で受賞作を決定。過去一年の間、書店員自身が「自分で読んで面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票する。

 『成瀬は天下を取りにいく』は、成瀬の幼馴染である島崎の視点を通し、コロナ禍で閉店を迎える西武大津店に毎日通いテレビ中継に映ろうとしたり、M-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言としたりする強烈な個性を持つ成瀬の青春を追う物語。

 「坪田譲治文学賞」や「静岡書店大賞」、「キノベス!2024」など数々のブックアワードに輝き「2024年本屋大賞」受賞で14冠。現時点で、14刷40万部突破を果たす大ヒット作となっている。

 宮島未奈は1983年静岡県富士市生まれ。滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。2023年同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビュー。新刊『成瀬は信じた道をいく』はその続編にあたる。

 一次投票には全国の530書店より書店員736人、二次投票では342書店、書店員443人の投票があった。二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票。

 そのほか、2位は津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)、3位に塩田武士『存在のすべてを』(朝日新聞出版)、4位夏川草介『スピノザの診察室』(水鈴社)、5位多崎礼『レーエンデ国物語』(講談社)、6位川上未映子『黄色い家』(中央公論新社)、7位青山美智子『リカバリー・カバヒコ』(光文社)、8位凪良ゆう『星を編む』(講談社)、9位知念実希人『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』(ライツ社)、10位小川哲『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社)となった。

 「翻訳小説部門」では、第1位にファン・ボルム著、牧野美加訳『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社)が選ばれた。2位ホリー・ジャクソン著、服部京子訳『卒業生には向かない真実』(東京創元社)、3位キム・ホヨン著、米津篤八訳『不便なコンビニ』(小学館)。

 「発掘部門」では、尼子慎太/ページ薬局(大阪)の推薦により井上夢人『プラスティック』(講談社文庫)が選ばれた。