日本推理作家協会が主催する『第69回江戸川乱歩賞』が5月26日に発表され、三上幸四郎の「蒼天の鳥たち」が受賞した。賞金は500万円。

 江戸川乱歩賞は、1954年、江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会により、探偵小説を奨励するために制定された文学賞。推理小説作家の登竜門として知られ、東野圭吾や池井戸潤などベストセラー作家を輩出している。

 三上は鳥取県出身の脚本家。『名探偵コナン』『特命係長 只野仁』などのアニメやテレビドラマの脚本を手掛けている。

 綾辻行人、京極夏彦、柴田よしき、貫井徳郎、横関大の五人の選考委員によって同日選考会が行われた。候補には受賞作のほか、竹鶴銀「ホルスの左眼」、日野瑛太郎「籠城オンエア」、八木十五「おしこもり」の四作があがっていた。

 正賞には江戸川乱歩像、副賞として賞金500万円が贈られる。贈呈式は11月頃を予定。

 昨年は、荒木あかね『此の世の果ての殺人』が受賞している。史上最年少での受賞、選考委員満場一致の〝大型新人〟として話題になった。脚本家・推理小説作家として活躍するのは野沢尚が思い当たるが、三上がこれから小説家としてどのような道を歩むのか、注目だ。