2022年12月9日、集英社『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』の刊行を記念して、佐川恭一のサイン会が大阪本町にある独立系書店toi booksで開催された。

本人によれば、イベントとしてのサイン会は今回が二度目となるという。平日の午後にもかかわらず、重度の佐川中毒者たちはこの貴重な機会を逃すことなく、筆者が店を訪れたときにも先客がサインを求めている最中だった。サイン会では、佐川の最新刊『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』だけでなく、破滅派から出版された『シン・サークルクラッシャー麻紀』など著作の数々や関連書籍が販売されていた。対面のみならず、オンラインでの事前注文も数多く寄せられており、佐川は多忙な一日を過ごしたようである。

筆者が購入した本にサインする佐川恭一。『シン・サークルクラッシャー麻紀』に登場するキャラクター、リットル君から「おはめつ!!」の一言をもらった。

2012年から破滅派に同人として所属している佐川。「自分が入ったときにいた同人はもうほとんどいない」と、今年創立15周年を迎えた破滅派の変遷に感慨を覚えている様子だった。この日、筆者はたまたま学会出張で大阪にいたのだが、佐川はすかさず会場の大学名を聞き出し、大学ヒエラルキーへの異様なオブセッションを垣間見せることも忘れなかった。

筆者が店を後にしたあとも佐川恭一サイン会への客足は絶えず、最後には芥川賞作家の町屋良平も会に現れたとのことである。会いに行ける人気作家、佐川恭一の今後の活躍から目が離せない。