大阪出身の作家・万城目学が、大阪メトロ沿線を舞台にした書き下ろしオリジナル連作短編小説『みをつくし戦隊メトレンジャー 』全5話を大阪メトロ5駅の構内で順次無料配布する。

大阪メトロが“オオサカメトロに乗りながら読みたくなる小説”をコンセプトにした地下鉄文庫「オオサカチカセツ」を創設し、今回はそのスタート企画。

18日に「御堂筋レッド編」を御堂筋線の中津駅で配布し、その後、毎週金曜日に異なる駅で「谷町パープル編」「中央フォレストグリーン編」「長堀鶴見緑地イエローグリーン編」「今里オレンジ編」を順次配布。各5000部、計2万5000部を配布する。デジタル版の配信は、冊子の配布に合わせて順次開始とのこと。

あらすじは、大阪の平和と秩序を守るため「みをつくし戦隊メトレンジャー」として悪の組織と戦う5人のヒーロー&ヒロインが織りなす“万城目ワールド”全開のユーモアあふれる人間ドラマ。実在する大阪の地名や沿線のディープなスポットが多数登場する。

『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』と“関西三部作”で知られる万城目。「現代の大阪を舞台に文章を書くのは、実に『プリンセス・トヨトミ』以来、13年ぶりのことになります。こんな5人がいたら楽しいだろうな、と想像しながら、メトロの色から、駅から、その土地から、存分にアイディアをいただき、5つの変テコな物語を紡いでみました」とコメントし、意欲作であることを窺わせる。

フランスでは、公共施設で「Short Edition」という短編小説を無料でプリントアウトできるサービスが定着しつつある。日本でも今後こういった試みが広がっていくのか、注目したい。