2017年7月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは7月1日~7月31日に更新された新着ニュース部門から見ていきたい。

第10位~第4位

第10位: 「稲川淳二の怪談ナイト」7月22日(土)より全国ツアーがスタート (7/14)
第9位: 刊行50年記念・物語追体験も「遠藤周作『沈黙』と長崎」展開催中 (7/2)
第8位: 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』をイメージしてデザインされた「SL銀河」一般公開in釜石が開催。 (7/10)
第7位: 明治以来の書評を網羅 アーカイブサイト「ALL REVIEWS」オープン (7/7)
第6位: 激辛書評のミチコ・カクタニ 30年以上担当したNYタイムズ書評欄を退任 (7/28)
第5位: 美術作品に隠された「恐怖」を読み解く「怖い絵」展、兵庫からスタート (7/8)
第4位: 和泉元彌によるシェイクスピア新作狂言の会が開催。 (7/1)

稲川淳二や和泉元彌といった芸能寄りのトピックがランクインする一方で、ALL REVIEWSやミチコ・カクタニといった文芸批評に関する話題にも注目が集まった。また、展覧会やイベント関連情報も今月は多く上位にランクインしている。夏らしい話題も目立つラインナップだった。

第3位

第157回芥川賞・直木賞が決定 受賞者は新鋭とベテラン (7/20)

半期に一度の大イベント、芥川賞・直木賞の話題が3位に入った。芥川賞の沼田真佑は発言が注目を浴び、直木賞の佐藤正午は岩波書店からの初の受賞であることが話題となった。一時期飽きられつつあった両賞への関心が再び高まったのはSNSの普及が原因である(大意)というような佐々木敦のツイートもあったが、たしかに筆者自身のTLを見ていても両社への言及は多かった。

第2位

目次だけで見る文芸誌2017年8月号 (7/7)

2位ははめにゅー恒例の定点観測記事である。最近は毎月のようにアクセスランキング上位にランクインしており、すっかり人気コンテンツといえるのではないだろうか。8月号では、文藝の特集『176人による現代文学地図 2000→2020』が特に話題となっていた。

第1位

学研『近現代日本の文学』全20冊無料配信中 青空文庫にない作品も (7/11)

7月のアクセスランキング第1位は、近現代の日本文学全集についての話題だった。青空文庫が充実した現在であっても、錚々たる顔ぶれによる代表作を信頼に足る出版社が編んだ形で入手できるというのは貴重だ。ましてや無料なのだから、DLしない理由はない。2位以下を大きく引き離しての圧倒的関心の高さだった。

既報ニュース部門

つづいて、6月までにアップされたニュースのなかで7月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

第5位: 「ハヤシライスの日」に丸善ジュンク堂書店がレトルトハヤシを新発売 (16/9/9)
第4位: 各都道府県立図書館のTwitter運用状況を調べてみた (16/11/9)
第3位: 第60回群像新人文学賞が発表 21世紀初の当選作なし (4/21)
第2位: 「絶望名言」が4月よりレギュラー化 ラジオ深夜便の人気コーナー (4/21)
第1位: 氷室冴子青春文学賞(仮)が今秋創設へ エブリスタとの連携も (4/8)

5位には丸善のレトルトハヤシが3ヶ月ぶりにカムバック。そろそろ実食してレポートをアップしたいところである。4位は安定したアクセスのあるまとめ記事だが、またTwitterでフォロワーの多いアカウントにリツイートされたのかもしれない。3位の群像新人賞の話題がここへきて注目を浴びた理由は、いまいち判然としなかった。わかる読者は教えてほしい。

2位および1位は、それぞれ先月急上昇を見せたニュースがさらにランクアップした形だ。「絶望名言」はまた8月にも放送されるので、来月も伸びるかもしれない。

果たして8月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。