青空文庫は1月1日、2017年にパブリックドメインとなった著作者19名の19作品を公開した。公開された作品は以下の通り、
- 安倍 能成『初旅の残像』
- 新井 紀一『怒れる高村軍曹』
- 上田 広『指導物語 或る国鉄機関士の述懐』
- 大下 宇陀児『擬似新年』
- 亀井 勝一郎『馬鈴薯の花』
- 河井 寛次郎『社日桜』
- 川田 順『枕物狂』
- 楠田 匡介『雪』
- 小泉 信三『この頃の皇太子殿下』
- 小宮 豊隆『知られざる漱石』
- 佐佐木 茂索『ある死、次の死』
- 柴田 宵曲『古句を観る』
- 鈴木 大拙『時の流れ』
- 中島 哀浪『かき・みかん・かに』
- 中野 秀人『第四階級の文学』
- 野間 清六『百済観音と夢殿観音と中宮寺弥勒』
- アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ作、番匠谷 英一訳『ユダヤ人のブナの木』
- 深瀬 基寛『悦しき知識 ――停年講義(昭和三十三年九月十六日)』
- 山中 峯太郎『小指一本の大試合』
さらに、別府大学で催されたイベント「文学への誘い、別府を読む×別府を書く」を機に書き下ろされ大分合同新聞で発表された、円城塔『ぞなもし狩り』、澤西祐典『湯けむり』、福永信『グローバルタワーにて』の3作品も無償公開された。
日本の法律では、著作権は著作者が死亡してから50年を経過した年の12月31日まで存続する。だから青空文庫は1月1日を「Happy Public Domain Day!」として祝い、新たなパブリックドメインを公開するのだ。「戦後無頼派」の太宰・坂口・織田は全作品ではないものの、主要なものは青空文庫で読むことができる。昨年は1965年没の谷崎潤一郎、江戸川乱歩がパブリックドメインとなり大きな話題となった。しかし、著作権の保護期間は欧米では没後70年が主流であり、TPP協定が発効されれば日本もそれに準ずることになる…のだが、ドナルド・トランプの登場でまた分からなくなってきた。果たして「くまのプー」はどうなるのか。
新たにパブリックドメインとなった19人の作家。不勉強ながら僕は全然知らない。時の洗礼を乗り越えて、復活を果たしたことに敬意を表し、読んでみることにしよう。新しい出会いがあるかもしれない。
コメント Facebookコメントが利用できます