田村直昭『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』が11月上旬にパブリブより出版されることが分かった。

昨年5月に髙井ホアン著『戦前反戦発言大全』『戦前不敬発言大全』を刊行するなどしているパブリブだが、『デスメタルアフリカ』に始まる「世界過激音楽」シリーズも様々な音楽ファン達から好評を受けている。その「世界過激音楽」シリーズの第13番目として、田村直昭著『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』が出版される。

元々ブラックメタルは激しい表現とメッセージ性を押し出すことがとても多いジャンルだが、『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』は、その中でも最も過激あるいは原始的プリミティヴな分野のバンドを紹介するガイドブックとなっている。その表現は、激しい音楽性はもちろんのこと、反キリスト、サタニズムや、一歩進んで教会への放火、殺人、更に殺した同級生の墓をジャケットにするグループもあるなど、様々な「実践」に事欠かない。また、90年代前半の環境を絶対視するバンドもあり、当時を目指してわざと音質を落とすなどのこだわりを持つバンドも多い。それら破壊的なバンドやエピソードが数多く紹介されており、様々な出来事を詳細に解説していく。

原始主義・原理主義・復古主義

デスメタル襲撃・アンチクライスト

躊躇いなく教会放火や殺人を犯す武闘派

伝説の名著『SHADOWS OF EVIL BLACK METAL DISC GUIDE』
の執筆者がその中でも最も過激な一派の調査を押し進めた!

 

Darkthrone プリミティヴ・ブラックメタルの創始者かつ帝王にして町会議員
Ildjarn Lo-Fiミニマル過ぎるアンビエントがノイズ化する自然崇拝者
Gorgoroth アンチクライスト標榜、数々の事件を引き起こした狂人
Tsjuder チェーンソー・ブラックメタルの異名を取り、反キリスト教を貫く
Clandestine Blaze Deathspell Omegaやノイズ・パワーエレクトロニクスにも関与
Satanic Warmaster プリミティヴな中に仄かに香るメロウなメランコリックさ
Absurd 同級生を殺害し、墓碑をジャケットにした国民社会主義ブラックメタル開祖
Judas Iscariot デスメタル大陸アメリカで、本格北欧系プリミティブを孤軍奮闘

著者の田村直昭は、2010年にブラックメタルのディスクガイド『Shadows of Evil』を執筆・編集しており、ブラックメタル分野の専門家として知られている。

パブリブは、以前より「世界過激音楽シリーズ」を刊行し、『デスメタルアフリカ』『ヒップホップ東欧』の様にこれまで日本であまり紹介されてこなかった世界各国の音楽事情や、『デスコア・ガイドブック』『オールドスクール・デスメタル・ガイドブック』シリーズなど体系的なガイド書籍を編集・出版してきた歴史があり、各種ファンやマニアより高い評価を得てきた。4月にはDaniel Ekerothにより2008年に著された名著『スウェディッシュ・デスメタル』の日本語訳が、また7月には田辺寛『デスメタルチャイナ』が出版されており、その紹介の幅はますます広がっている。

田村直昭『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』は、11月6日頃より出荷予定であり、11月中旬までに全国書店、Amazon、CD・レコードショップなどに並ぶと思われる。詳しい情報は下記リンクを参照のこと。