近藤知孝『ポストブラックメタル・ガイドブック』が、この度パブリブより発売されることがわかった。

2019年5月に髙井ホアン著『戦前反戦発言大全』『戦前不敬発言大全』を刊行するなどしている有名出版社パブリブだが、『デスメタルアフリカ』に始まる「世界過激音楽」シリーズも様々な音楽ファン達から好評を受けている。今回、世界過激音楽Vol.16として、『ポストブラックメタル・ガイドブック』が出版される。著者はレビューブログ『むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~』を運営する近藤知孝である。

パブリブではこれまでも『東欧ブラックメタルガイドブック』や『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』など、ジャンルが多彩化し続けるブラックメタルについて、地域や背景といった様々な観点から紹介する書籍を出版してきた。『ポストブラックメタル・ガイドブック』では、近年のブラックメタルで最も人気と言われるポストブラックメタルについて詳細に解説する。これまでのブラックメタルの手法や様式、約束事に捉われないジャンルと言われ、他のジャンルとの接続も多いが、『ポストブラックメタル・ガイドブック』ではそれも踏まえて多くの400以上のバンドと700以上の楽曲を収録している。

Alcest 子どもの頃の白昼夢フェアリーランドを表現する天才
Deafheaven 激情ハードコアを取り込んだブラックゲイズ
Ulver 黎明期からプログレッシヴ・ロックをひた走る
Harakiri for the Sky 死をモチーフにした世界観と儚いメロディー
Liturgy 垣根を破壊する超越的ブラックメタル
Botanist 植物コンセプトにダルシマーを操る横国大出身者
Violet Cold アゼルバイジャンでEDMやポストロック導入
Fen 湿地帯の原風景を表現するパイオニア
Ihsahn 闇の皇帝Emperor音楽探究のプロフェッサー
Sylvaine ポストロックとの境界に立つ新鋭

また、多くのバンドへのインタビューや、細部まで切り込んだ濃密なコラムも収録されている。

コラム
・〇〇ゲイズが多すぎる
・メタル界での「Harakiri」
・Sonic Youthとブラックメタル
・Pitchforkとポスト・ブラックメタル
・My Bloody Valentine、Slowdiveの影響
・ノルウェーがブラックメタルをやめる問題

304ページと言う大著とながら、オールカラー2700円と言うお買い得な値段に抑えられている。より広がりを見せるであろうポストブラックメタルの世界を知る上で、必ず読んでおきたい一冊となるだろう。他にも、パブリブからはブラックメタルに関する書籍が数多く出版されているので、こちらもチェックしたい。

近藤知孝『ポストブラックメタル・ガイドブック』は、8月15日頃より全国書店、Amazon、CD・レコードショップなどで販売されるとみられる。価格は税抜2700円。詳しい情報は下記リンクも参照のこと。