新潮 2017年8月号
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目玉の創作は川上未映子「ウィステリアと三人の女たち」。老女の家が取り壊され、その廃墟に足を踏み入れる主人公の話だとのこと。
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加藤秀行は、タイで雇われ社長となった日本人青年の苦悩を描いた「海亀たち」(190枚)を掲載。
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シカゴ在住の作家レベッカ・マカーイの小説の邦訳も(訳・解説:藤井光)。なお藤井は5月にこんなツイートをしている。
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特別対談として、浅田彰×東浩紀×千葉雅也という濃いメンツによる鼎談「ポスト・トゥルース時代の現代思想」が。これからの時代に思想家が担うべき役割について語られる。
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新元良一は5月に逝去したデニス・ジョンソンへの追悼文を。
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エセーに田中慎弥、岸政彦、町屋良平、古川耕、石橋正孝、石黒隆之。
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連載陣では、古川日出男「ミライミライ」が今号で完結。
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第5回河合隼雄物語賞・学芸賞の発表と選評も。
文學界 2017年8月号
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今号の特集は『稲垣足穂・澁澤龍彦・深沢七郎 ―奇想と偏愛の系譜』。足穂が没後40年、澁澤と深沢が没後30年を迎えるにあたっての企画で、高橋睦郎×松岡正剛×朝吹真理子による鼎談や澁澤龍子と武田花へのインタビューなどが掲載。
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同特集内のエセーをあがた森魚、長野まゆみ、戌井昭人、篠原勝之、山崎ナオコーラが寄稿。また、埴谷雄高、色川武大、四谷シモンによる各作家について綴った文章も。
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澁澤龍彦自身の最晩年のエセー「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」も再録。
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特集以外では、石川九楊×吉増剛造「書と言葉の深淵へ」と國分功一郎×千葉雅也「真の「勉強」とは?」の2本の対談に注目。
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創作に保坂和志、小谷野敦。
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エセーに旦敬介、小林敏明、古谷田奈月、末井昭、木谷美咲。
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映画監督・羽仁進へのインタビューも敢行している。
群像 2017年8月号
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創作は古井由吉の連作「たなごころ」、西村賢太の短篇「青痰麺」、水原涼の中篇「クイーンズ・ロード・フィールド」の3本。
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リレーエセー「私と大江健三郎」の第2回目は安藤礼二が担当。
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通常のエセーに小川隆夫、岡田麿里、加藤秀行、関取花。
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連載陣は新しい顔ぶれが2つ。中条省平による評論「人間とは何か──フランス文学による感情教育──」と、いとうせいこうの対談「今夜、笑いの数を数えましょう」(今回の相手は倉本美津留)がスタートしている。
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一方、現行の連載陣では磯崎憲一郎の小説「鳥獣戯画」、三浦雅士の評論「言語の政治学」がそれぞれ最終回を迎えた。
すばる 2017年8月号
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創作に保坂和志「読書実録」、吉村萬壱「梅核」、モブ・ノリオ「狙われた脳味噌」、北野道夫「ゴーストタウン」。気になるタイトルの作品が揃う。
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エセーは沼田真佑、野中モモ、上間陽子。
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評論は藤田直哉と杉田俊介がなにかと話題の筒井康隆についてそれぞれ書いている。
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今号は対談や鼎談が多い。横尾忠則×鴻巣友季子「宇宙的広がりを読み解く」ではボブ・ディランの詩について語られ、平田俊子×川上未映子×伊藤比呂美「詩人と朗読」は小説家であり詩人でもある3人による詩にまつわる言葉のラリー。ほか、星野智幸×くぼたのぞみ「ハッピーなフェミニスト」も。
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『花袋の試み』と題した小特集では、田山花袋にまつわる2本の談話を掲載。橋本治の講演の模様が収められたほか、奥泉光×いとうせいこうの文芸漫談シリーズでも『蒲団』を取り上げた。
文藝 2017年秋季号
- 特集は『176人による現代文学地図 2000→2020』。佐々木敦×栗原裕一郎×小澤英実および江南亜美子×倉本さおり×矢野利裕という2本の鼎談のほか、38人の作家・批評家たちによる寄稿と131人の書店員へのアンケートで「来るべき作家たち」を大特集している。「読みたい気持ちはあるけど最近あまり文芸誌を読めていない」という人にはうってつけの特集か。
- 最果タヒ「パパララレレルル」が今号より連載開始。
- 2015年に文藝賞を受賞した畠山丑雄の受賞第一作「死者たち」も掲載。
- ほか創作に小林里々子、津村記久子、牧田真有子、亀山郁夫。
- 文藝賞の新しい選考委員も発表されている。
以上、2017年7月発売の5誌について概観をお伝えした。
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