稲田義智『絶対に解けない受験世界史4』が、この度パブリブより発売されることがわかった。

髙井ホアン著『戦前反戦発言大全』『戦前不敬発言大全』『鬼畜米英漫画全集』を刊行するなどしている有名出版社パブリブだが、今回、「大学入試問題問題」シリーズの第4巻目として、稲田義智『絶対に解けない受験世界史4』が出版されることとなった。著者は、受験世界史研究家を名乗で様々な分野に精通する稲田義智である。

過去に受験で出されてきた悪問・難問・奇問・出題ミスの数々を集めてきた「大学入試問題問題」シリーズ。第1巻が2014年、第2巻が2017年、そして第3巻が2021年に出版され、今回は10年目の節目となる。このシリーズでは多くの「問題の問題」が暴かれてきたが、反面当シリーズの存在もあってか、近年入試問題の改善や、上智大学のようにそもそも世界史を扱わない大学も増えた上、センター試験まで廃止となって、シリーズの存続が危ぶまれ……と言う懸念も杞憂で、第3巻以降も悪問や出題ミス、謎の文章が次から次へと現れた。さらに近年はセンター試験が大学入学共通テストに置き換わり、学校推薦・総合型選抜が増加していったことで、大学側の問題制作能力も低下しているという。

☆大半が設問と関係ない『ジョジョの奇妙な冒険』のリード文(東京都市大 2022年)
×引用文献を大幅改変、変換ミス、挙句の果てに著者名を誤植(名古屋大 2023年)
×中学生でも知ってる「勘合貿易開始時に足利義満は将軍」ミス(早稲田 2023年)
×範囲外から出題して盛大に誤植するというクソダサ行為(慶應大学 2021年)
×大河ドラマに掛けて「麒麟」の絵画を出すも問題が崩壊(大阪大 2021年)
☆センシティヴな問題で「歴史にif」を答えさせる(産業能率大 2021年)

新たな問題も芽生える中で集まった「大学入試問題問題」を数多く紹介するのが『絶対に解けない受験世界史4』である。また、単なる紹介のみならず、「新科目「歴史総合」が誕生するまで」「話題になった他科目の出題ミス」 「センター試験地理 ムーミン・ヴァイキング炎上事件」など豊富なコラムも収録されている。ミスが巡り巡って、楽しみながら世界史にも詳しくなれる内容となっている。受験生や教員でなくともぜひ読んでおきたい一冊だ。

稲田義智『絶対に解けない受験世界史4』は、4月上旬には全国書店、Amazonなどの各種通販で販売されるとみられる。価格は定価2500円+税。詳しい情報は下記リンクも参照のこと。