新潮文芸振興会が主催する「日本ファンタジーノベル大賞2024」大賞に、宇津木健太郎『猫と罰』が決まった。

 「日本ファンタジーノベル大賞」は1989年に創設され、森見登美彦、畠中恵、西條奈加、古谷田奈月をはじめ、数々の小説家を輩出した。2013年に一度休止し、2017年に新生「日本ファンタジーノベル大賞」として復活した。

 宇津木健太郎は1991年生まれで埼玉県越谷市出身。同人活動を続ける中で、2020年に『森が呼ぶ』で「第二回最恐小説大賞」を受賞している。

 10月25日に最終選考会が開かれ、恩田陸、森見登美彦、ヤマザキマリの三選考委員による選考が行われた。応募総数396篇から、受賞作含む、橘なわて『件の事』、佐々木麦『指先から滴るとりとめのない軌跡よ』、歌島小鳥『星屑と機械』の最終候補4作品が挙がっていた。

 宇津木には、賞金300万円が贈られる。なお、発売中の「小説新潮」2023年12月号に受賞の言葉、受賞作の抄録と詳しい選考の過程が掲載されている。単行本刊行は2024年初夏を予定している。