株式会社東急文化村が主催する「第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を、山崎ナオコーラ『ミライの源氏物語』(淡交社刊)が受賞した。

 1990年の創設以来、Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、毎年かわる「ひとりの選考委員」によって受賞作を決定。第33回となる2023年度の選考委員を務めたのは歌人の俵万智。

 山崎ナオコーラは、1978年生まれ。國學院大學文学部日本文学科卒業。2004年に「人のセックスを笑うな」で文藝賞を受賞しデビュー。2017年、『美しい距離』(文藝春秋)で「第23回島清恋愛文学賞」受賞。

 受賞作に選ばれた『ミライの源氏物語』は、現代の視点から名作古典「源氏物語」をどう読めるか、という社会の在り方に長く向き合ってきた山崎ナオコーラによる現代人のための「源氏物語」エッセイ。

 俵は「『古典をなぜ読むのか?』という古くからある問いに対して、これほど明快で深い、それでいて新しい答えに、私は出会ったことがない」と評した。

 山崎ナオコーラには、正賞として賞状と「スイス・ゼニス社」製時計、副賞として100万円が贈られる。授賞式は11月に都内で開催される予定。

 なお、第34回選考委員は小説家の桐野夏生が務める。