小川は発表を受け、「あなたの頭の中にある景色は、まだあなただけのものです。その偶然と奇跡を紙に焼きつけ、他の誰かに見せつけてやりましょう。あなたの言葉を、この世界に永遠に刻みつけるためのお手伝いができれば、と思います。」とコメント。

 村田は「小説を書いている方は、もうすでに書く状態の生きものなのだと認識しています。その方の小説にしか存在しない言葉、光景、世界、感覚、未知とたくさん出会うのを、同じ書く生きものとして心から楽しみにしています。」と語っている。

 二人に加え、角田光代と町田康の四人が選考委員を務める。なお、四人のコメントは今月発売中の「文藝」にも記載されている。

 「文藝賞」は、1962年の創設以来、新人の登竜門としてたえず文学シーンに新しい才能を送り出してきた。次回、第61回の募集も始まっている。締め切りは2024年3月31日。詳細はホームページか文藝上で確認を。

 受賞作は「文藝」2024年冬季号誌上で発表され、正賞には万年筆、副賞に賞金50万円(雑誌掲載の原稿料含む)が贈られる。