新潮社は11月22日、「日本ファンタジーノベル大賞2023」大賞に武石勝義(応募時:武石雄由)による中華幻想小説『夢現の神獣 未だ醒めず(むげんのしんじゅう いまださめず)』が決定したことを発表。

10月31日に「日本ファンタジーノベル大賞2023」の最終選考会が開かれ、恩田陸、森見登美彦、ヤマザキマリの三選考委員による選考が行われた。応募総数427篇から選ばれた最終候補4作品の中で圧巻の構成力を評された。

「小説新潮」2022年12月号に受賞の言葉、受賞作の抄録と詳しい選考の過程が掲載される。単行本刊行は2023年初夏を予定。

恩田陸は「登場人物もそれぞれくっきりとした存在感があり、人間臭いところも魅力的」、森見登美彦は「主人公たちの運命を追いかけているうちに、どんどん世界が広がっていく楽しさは物語の醍醐味だろう」、ヤマザキマリ「最も登場人物たちに躍動感が感じられた作品だった」とそれぞれが評した。

受賞した武石勝義は受賞を受け、「『日本ファンタジーノベル大賞』という栄えある賞でまさかの栄誉に浴することが、未だに信じられません。何しろ学生時代に『後宮小説』に嵌まった私には、数少ない昔から知る賞のひとつなのです。それが三十年後にはその賞に応募して受賞するとは、当時の私に是非聞かせてやりたい。私の書いた物語を読んでいただいた皆様方には感謝しかありません。本当にありがとうございます」と喜びと感謝の意を述べた。

森見登美彦、畠中恵、西條奈加、古谷田奈月など売れっ子作家を輩出した日本ファンタジーノベル大賞。武石が今後どのような作家となっていくのか、期待したいところ。