ノーベル賞作家の川端康成に関する特別展「没後50年 川端康成展 虹をつむぐ人」が10月1日から11月27日まで、神奈川近代文学館で開催される。

「伊豆の踊子」「雪国」「千羽鶴」「山の音」などの代表作で知られる。没後50年となる現在も数多くの著作が読まれ続けている、日本を代表する文豪のひとり。

日本の美を描いた作家というイメージが強い川端だが、初期には〈新感覚派〉の一員として先鋭的な作品で注目され、長い作家生活のなかで、評論、ドキュメンタリー、中間小説、少年少女小説など、幅広いジャンルの作品を手がけた。

川端は、日本ペンクラブの会長を17年間務めるなど、多くの文学団体で中心的役割を担った文壇人でもあった。特別展では墨書の「雪国」抄本や志野茶碗、横光利一への弔辞など貴重資料の数々とともに、〈川端文学〉、そして〈人間・川端康成〉の豊潤で多彩な世界を紹介する。

また、会期にはいとうせいこう、奥泉光が出演する記念講演会「記念文芸漫談」や荻野アンナを講師に迎えた文芸映画を観る会「川端康成の小説万華鏡」などのイベントも。

現在も多大な影響を与え続ける川端の文学に、これを機に触れてみてはいかがだろうか。