福岡市総合図書館で開催予定だった「ソビエト映画特集」が延期となった。

福岡市総合図書館では、アジア映画や福岡に関係する貴重な映画資料を収集し、映像ホール・シネラにおいて上映を行っている。今度の「ソビエト映画特集」では、戦争映画「鬼戦車T-34」や、米アカデミー賞外国語映画賞受賞作の「モスクワは涙を信じない」など1960年代から80年代にかけてソビエト連邦で製作された12本の映画を5月3日から28日まで上映予定だった。しかし、2月下旬よりロシアがウクライナへの侵攻を行っていることが原因となり、内部の議論により国際情勢なども考慮した結果、「ソビエト映画特集」は延期となった。シネラのホームページでは、代替として「現代韓国映画特集」が開催されるとしている。

2月24日にロシアがウクライナへ侵攻して以降、ロシア文化やその周辺の催しに関して中止・延期が相次いでいる。3月11日から展示される予定だった、札幌大学ロシア文化センターによるロシア文学関連のパネル展示が延期となった他、3月12日に渋谷で開催予定だった文化交流イベント「ロシアの日~Powered by 渋谷渦渦~」は2月24日付で中止となった。また、明石フィルハーモニー管弦楽団は3月21日の定期演奏会で演奏する予定だったチャイコフスキー「1812年」を演目から外した。都内のロシア料理店の看板が何者かに破壊される被害も起きているなど、ヘイトクライムと見られる動きも出ている。

国際情勢の影響が文化にも及ぶ状況が続く中、これらの動きと合わせ、今回の出来事も議論を呼びそうだ。