中国の超巨大都市・重慶を扱った書籍、近堂彰一著『重慶マニア』がパブリブより出版される。

今年5月に破滅派同人・髙井ホアン(Juan.B)著『戦前反戦発言大全』『戦前不敬発言大全』を刊行するなどしているパブリブから、ハマザキカク氏の編集によりまた興味深い書籍が出版される。「地方都市マニア」シリーズの第一冊、近堂彰一氏が執筆した『重慶マニア』である。

中国の都市と言えば、観光的にも商業的にも、北京や上海、あるいは異なる制度下だが香港など、首都や沿岸部の都市ばかりが日本では注目されやすい。しかし、広大な中国には様々な都市が存在する。その中でも圧倒的な存在感を持ち近年注目されている都市が重慶である。都市の人口三千万人、市域は北海道とほぼ同じ大きさ、起伏も激しいと言えば文字通りの存在感だけでも圧倒されるが、その他にも様々な歴史と魅力が渦巻く都市である。『重慶マニア』ではそれら様々な重慶の巨大さと魅力に迫っていく。著者の近堂彰一氏は2004年に中国に初めて足を運び、2014年から重慶研究をライフワークとしている。

公開されている注目要素を紹介すると、

鉄道マニア■10時間乗ってもまだ重慶、市内2駅だけを結ぶ高速鉄道、市内間フライトも
軌道交通マニア■マンションに突っ込むモノレール、アジアで2番目に深い駅
防空壕マニア■火鍋店、酒蔵、家具街、洗車場、ガソリンスタンドとして今でも活躍
天空橋マニア■崖に建った高低差のおかげで1階が22階になる魔界ダンジョン
ヘアピンカーブマニア■歩道すら急カーブ、ジャンクションも行き交い、巨大迷路
火鍋マニア■一時は市内飲食店の62%が火鍋、火鍋マウンテン、火鍋祭り、火鍋温泉も
小面マニア■牛肉、目玉焼き、ひよこ豆を乗せ、痺れを効かせた花椒ソウルフード
四川軍閥マニア■蜀軍政府、中華民国四川都督府、防区制、四川自治の有為転変
国民政府史跡マニア■中華民国臨時首都となるも放ったらかしでまるで廃墟か古代遺跡
大使館マニア■日本租界、米ソ武官処や大韓民国臨時政府跡地、日本軍捕虜収容所も
国共内戦マニア▪重慶談判会場桂園、毛沢東宿泊紅岩村、楊虎城将軍紀念室など
一帯一路マニア■内陸部初の国家級開発地区、GDP「北上広深」に次ぐ第五位に

とあり、どれも興味が尽きない。中国が誇る超巨大都市重慶について、楽しく知ることが出来る本となりそうだ。また、「地方都市マニア」シリーズの今後の展開にも注目である。

近堂彰一著『重慶マニア』は12月3日出荷予定となっており、近日中に全国有名書店及び模索舎・タコシェなどのミニコミ書店、各種ネット通販で購入できる見込みである。詳しい情報は下記リンクなどを参照のこと。