東京都目黒区に所在する日本近代文学館では、6月23日から企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅱ──中島敦「山月記」とその時代」を開催する。

夭逝の作家、中島敦の小説「山月記」が連作「古譚」の一編として「文学界」で発表されたのは1942年のこと。その年の12月に中島は病死し、戦争と終戦を挟み1951年には始めて高等学校向け教科書に「山月記」が採用された。以後、山月記は多くの生徒達に学ばれ、芥川龍之介や太宰治、宮沢賢治らの作品と並んで「国民教材」として親しまれている。

企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅱ──中島敦「山月記」とその時代」では、そんな中島敦が生きた戦前の時代と「山月記」執筆の周辺背景、また作品の基となった伝奇小説「人虎伝」にまつわる様々な資料を紹介していく。学校の授業で扱われる論点、現代新たに扱われている論点にも触れられている。学生時代を思い出しつつ改めて小説の世界に思いを馳せられる展覧会となりそうだ。

企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅱ──中島敦「山月記」とその時代」は日本近代文学館で6月23日から8月25日まで開催される。詳しい情報は下記サイトを参照のこと。