全国に書店を展開する書店チェーン「紀伊国屋書店」の新宿本店として有名な紀伊国屋ビルディングが、東京都により歴史的建造物に選定された。

紀伊国屋ビルディングは紀伊國屋書店創業者の田辺茂一がモダニズム建築家の前川國男に設計を依頼し、当時最先端の技術や丸みを帯びたデザインなどが投入され、1964年3月に竣工した。新宿東口から新宿通りを歩いていくと現れるその巨大なビルは、地上9階地下2階建てで、書店を中心に銘店街や劇場、画廊なども入店した複合ビルとなっている。竣工から50年以上経つが日々変わり行く新宿の街中にあっても紀伊国屋ビルディングは色あせることなく安定し、日本最大級の売り場面積と共に多くの人を迎え入れている。

東京都の歴史的建造物に選定される基準として、

1.原則として建築後50年を経過していること

2.東京の景観づくりにおいて重要なものであること

3.できるだけ建築当時の状態で保存されていること

4.外観が容易に確認できること

と言った4点が求められているが、紀伊国屋書店は多くを満たしている。紀伊国屋ビルディングはこれまでも重要な書店であったが、これからは重要な文化財としての役割も果たして行く事となる。紀伊国屋書店のこれからに期待したい。