刑務所に収監されている友人を訪ねる、空からは槍が降っている、世界は蝕まれている、ナンセンスにしてロジカル、神々を閲覧する匿名人たち、けっきょく誰もタダでは済まない、しかし概して穏やかである。
もしそうでなければ双生児であった二つの世界は、もっと交差したり並走したりしたのかもしれないのであったろうか。
(1章の2) となりの荒れ地には墓があった。風雨に晒され、砂埃に打たれて劣化してしまったのか、下の方は白茶けている。 ざっと靴底が滑る。砂利に足を取られ、はずみで小石が靴の隙間…
(2章の1) 塔の湯の集落に入る。 道のでこぼこが均されている。もちろん未舗装のこと、完全な平らというわけではない。ただ、山道のように、えぐられたような窪みも、ごろた石もな…
(5章の1) わたしのすい臓はがんで、さらにはステージⅣだった。これはもう、治療のしようがないくらいに進行しているという状態だ。 ある日担当医は、点滴で元気になったわたしを…
(6章の1) そこに、一人の男が現れた。 男は、元々関係の薄い、そして今ではほとんど付き合いの切れている友人の名を出した。その紹介で訪ねて来たのだという。 あいつか。…
(6章の3) 特別サービスについて、根を詰めてとうとうと話されたわけではない。もはや敵地に乗り込んでのそれなので、相手は強引にでもいい加減にでも、もっと言えば強制してでもできたは…
SUAを破壊できる情報機関を立ち上げるにあたって、必要な人員を集めなければならない。 まずは情報収集・工作のプロは不可欠な存在だ。 ニシキは官僚の人脈を利用して、俺を勧誘する前から既に退役した情…
沈むように太陽が昇っていくのは・・・幻か。それとも・・・
軟禁生活時代に毎日書いていたショートショート群です。
2024年作。
「若さ」は「馬鹿さ」によって突き動かされる。若者は馬鹿者という世の定め。
不条理な大幸運に飄々と忍従する中学生少年少女たちのロードムービー。 異世界にして過去世。未来にして神話時代。下劣にして荘厳。地獄にしてユートピア。 図書館にはなく、本棚にはある…
夜、誰かが空を指し「あれはقمرだ」と言う。それはまたモンドであり、ルーンであり、ユエでもある。それはムーンでもあり、ツキでもある。人は定められた音の並びから、幾多の情報を瞬時に受け取っている…
(バカSF × 古典構造 × 相撲要素も可) 宇宙を股にかけた戦争を止めたのは、寝たきりの関西弁のおばあちゃん。その“方法”とは…。
乗せてくれたトラックのドライバーさんから聞いた断片的な話の数々。
(7章の3) 翌日、点滴注射を受けているときに沢田が来た。腕の血管に取り付けた管にセットした大型の注射器を、医師が親指でゆっくり押す。赤味がかった液体が管を伝ってわたしの中に入っ…
破滅派は同人サークルから出発していまや出版社となりました。
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