二十一歳の僕は、売人だった。さしずめ兎を追い立てる狐のような存在で、どうやって猟犬の目を掻い潜って狩りをするか、そのことしか頭になかった。
ばあさんによって、団地の秘密が明かされる。物語もいよいよ終盤に。
病院で出会った男との結婚をすることに決めた千代。無口な夫は過去を語らず、狭い団地の部屋で母親は怨念を吐き出す。
夫は死に、女三人の生活が始める。女たちはそれぞれに思いを心に秘めながら毎日を過ごす。
このみと櫂の距離は縮み、和やかに夜は過ぎてゆく。そして団地の工事現場に、一人の男が現れる。
このみは母と祖母への軽蔑の思いを心に秘めつつ、新しい出会いを求め続ける。
家でのわずらわしい気分を忘れ、楽しむこのみ。飲み会で会った櫂と会話が弾み、、。