「私の作品は電子書籍で出す場合、アダルトにした方がよいですか?」という質問がたびたび同人諸氏から寄せられています。編集部の方針は、できるかぎりアダルト認定されるのは避けた方がよいです。

できるかぎりアダルト認定されるのを避けた方がよい理由

以下に説明します。

1.アダルト作品は露出が減る

破滅派が主に出品しているAmazonではアダルト商品の場合、年齢確認のページが表示されます。

アダルト商品のページで表示される警告

アダルト商品のページで表示される警告

この他、アダルト商品は検索結果においても表紙画像が表示されないなどのゾーニング措置がとられます。これは当然ですが、売上に響きます。

2.アダルト作品を探す人は目的が異なる

「自分の作品はアダルトかな?」と思った方は一度Amazonの書籍でアダルトカテゴリーを見てください。どうでしょう、こういった作品とあなたの作品は似ているでしょうか。

KindleストアのアダルトカテゴリーTOP

KindleストアのアダルトカテゴリーTOP

作家として作品を書いているだけだとついつい「自分の作品がアダルトかどうか」という点にこだわってしまいがちですが、重要なのは読者、つまり「潜在的な顧客」への視点です。

もしあなたの作品の目的が「読者に性的な気晴らしを提供すること」つまり「マスターベーションのオカズになること」であるのなら、アダルトにした方がよいですが、そうでない場合、本来の読者(あなたの作品を高く評価してくれるであろう人)はあなたの作品を発見しづらくなりますし、アダルトカテゴリーでエロい作品を探している人にとっては「なんだか食い足りないもの」つまり、カテゴリーエラーとなってしまいます。

アダルト商品であるということは、その特性もきちんと意識した作りになっていなければなりません。あなたの作品にはどのような性的嗜好向けか明記されていますか? 女性向け? 男性向け? シチュエーションは? 目を引くアイキャッチがありますか? こうしたメタ情報がない限り、アダルト作品としては魅力がないものになります。

たとえるなら、子供向けのおもちゃ屋さんを開こうとしているのに、風俗街のど真ん中に出店するようなものです。誰も来ません。

Amazonでアダルト認定されないためには

Amazonは「なにがアダルト作品なのか」という定義について一切の説明をしていません。また、一度でもアダルト認定されてしまうと、それを覆すのは大変です。

いまのところ、破滅派編集部の経験およびKindleストアに出品している人の情報などを元に、次のようなことがわかっています。

  • 表紙画像に乳首や陰部が映っているのはNG
  • タイトルおよび説明文(=Amazonで表示されているテキスト)に性的なものが入っている場合はNG
  • 直接的に卑猥な言葉を使っていなくても、全体的にアダルト作品っぽいものは出品後にアダルトに移されることがある(ex. 扇情的な萌えイラストでタイトルが『お兄ちゃんといると頭がおかしくなっちゃう〜』とか)
  • 本文に卑猥な表現があるのはたぶんO.K.

以上です。基本的にAmazonのアダルト認定は「ゾーニング」です破滅派の検閲ポリシーと同じく、「意図しないでなんかエロ本が表示された」という状況を避けるために行っていると推測されます。したがって、文章表現である以上「表立ってエロ本っぽくなければOK」となります。

これに関しては明確な定義が公表されているわけではないので、探りながらになります。もしご見識をお持ちの方がいたら、コメントなどで情報提供をお願いします。

破滅派はアダルト作品を憎んでいるのか

アダルト認定されないことを推奨することにより、破滅派編集部がアダルト作品を見下しているのではないか、と思われるかもしれませんので、代表である筆者の意見を書いておきます。

  • アダルト認定されないよう推奨するのは、アダルト作品として読者を喜ばせようと意図していない作品がアダルト認定されるのを避けるためです。「そんな装備で大丈夫か」ということです。
  • アダルト作品だからといって、一段下に見ているわけではありません。アダルト作品でたくさんの読者を喜ばせようというのは別に構いませんし、それによって生まれる素晴らしい文学もあるでしょう。
  • ただし、個人的に「アダルトを世に広めたい!」と思っているわけではありませんし、自分がアダルト作品を作ることにそれほど興味もないので、特に推奨してはいません。また、破滅派よりももっとアダルト向けのプラットフォームが沢山あるので、そういうところで作品を発表したほうがよいでしょう。

以上、破滅派から電子書籍を発売するにあたり「これ、アダルトかな?」と思ったら参考にしてください。コメント欄へのご意見もお待ちしております。

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