Wikipediaにも記載されているとおり、フィリップ・ロスはコーク・マッカーシー、トマス・ピンチョンなどと並び称されるアメリカの代表的な作家だ。代表作は性欲、ユダヤ人、アメリカというテーマを取り扱い、中期から後期にかけての「ザッカーマンもの」では中年の危機や老いについての鋭い分析を作品に昇華させていた。

全米図書鑑賞、全米批評家協会賞を複数回受賞しており、米国内での評価は確固たるもの。なおかつ第一回フランツ・カフカ賞を受賞するなど、世界的な評価も高かった。ノーベル文学賞の候補と噂されることもあったが、その死によって受賞はついに実現することがなかった。

日本での報道はまだブクログでしか目にしていないが、文壇での評価はおそらく高く、たとえば『優雅で感傷的な日本野球』『さようなら、ギャングたち』を書いた高橋源一郎は『素晴らしいアメリカ野球』『さようならコロンバス』を書いたロスの影響を明言している。