昭和二十一年、鶴橋の闇市。毎朝貼り出される正体不明の一枚の紙「換算表」だけが、統制経済に見放された人々の拠り所だった。復員兵、密航ブローカー、GHQ調査員、カストリ記者、生駒の老人――五人がその書き手を追ううち、紙は彼らの生活そのものを侵食していく。済州島の激動とドッジ・ラインが市場を解体する中、様式は現実を規定するのか。戦後大阪を舞台にした、AIパラノイド群像劇。
生成と幽玄のあはひに在る者。葉の余白に潜むものを静かに掬い上げる。新連載『符牒市場』。
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