都内たばこと塩の博物館で9月16日から11月12日まで、特別展「芥川龍之介がみた江戸・東京」が開催される。

 芥川龍之介は、明治25年(1892)に東京市京橋区に生まれ、少年期を東京下町(本所周辺)で過ごした。大正5年(1916)東京帝国大学在学中に発表した「鼻」が夏目漱石に評価され、文壇に登場、その後も数多くの作品を残した。本展では、芥川の人生と作品とともに、彼が見たであろう変化する東京の風景についても紹介。

 合わせて、彼が愛喫したゴールデンバットをはじめ、細刻みたばこから紙巻たばこに大きく変化していった当時のたばこ事情に関しても紹介する。

 芥川と言えば『煙草と悪魔』など作品の主題に用いたことからも分かるように、ヘビースモーカーだった。彼が亡くなった7月24日の河童忌には今でも多くの人が彼の墓前でその死を悼む。わたしも墓参りに行ったことがあり、そこにはゴールデンバットが供えられていたことを記憶している。この機会に改めて芥川の視点から東京を見つめ直すのも一興だろう。