藤城孝輔が論考を寄せた「『ドライブ・マイ・カー』論」が4月12日、慶応義塾大学出版会から発売される。

佐藤元状、冨塚亮平による編著で、昨年アカデミー賞国際長編映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、全米批評家協会賞4冠などに輝いた濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』について、アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が徹底分析。

アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が論考を寄せた国際シンポジウムDrive My Car : A Symposium on Hamaguchi’s Cross-Media Vehicleの内容に加え、西崎智子氏(広島フィルム・コミッション)、文化庁参事官(芸術文化担当)、そして濱口竜介監督への特別インタビューを追加収録した。

藤城はこの中で「他者の声を聴け──『ドライブ・マイ・カー』における他者性の構築と受容」として自身の『ドライブ・マイ・カー』論を寄稿している。

来月は原作者である村上春樹の新作『街とその不確かな壁』(新潮社)も発売されるが、濱口監督が村上作品をどのように解釈したのか、そしてそれは世界にどう受け取られたのか、絶好の案内書となっている。新作を手にする前にこちらを読んでおいても損はないだろう。